チャンピオン争いで一騎打ちを演じているメルセデスAMGのドライバー2人、ルイス・ハミルトンとニコ・ロズベルグは、今後チームオーダーに従うことでチームと合意したという。
F1第11戦ハンガリーGPでは、ハミルトンに対してタイヤ戦略の異なるロズベルグを前に出すようチームが無線で指示したが、ハミルトンはこれに従わなかった。
メルセデスAMGビジネス部門のエグゼクティブディレクターであるトト・ヴォルフは、次のように語り、ハミルトンの行動を受け入れている。
「ニコは仕掛けられるほどルイスに近づけなかった」
「順位を変えないというルイスの決断については、最終的にわれわれも十分理解できた」
しかし今週チームが発表したインタビューでヴォルフは、ドライバーは「今後も自由に競い合える」としながらも、次のように語っている。
「チームとしての優先事項は、レースで優勝する可能性を最大限にすることだ。優勝争いをしているのがどちらのドライバーでも関係ない」
つまり、チームが優勝することを最優先した場合、今後もハンガリーGPと同様のチームオーダーを出す可能性があるということになる。
■メルセデスAMGの新方針
オーストリアの『APA通信』は、ヴォルフが非常勤会長のニキ・ラウダ、技術部門のエグゼクティブディレクターであるパディ・ロウと会談し、その後ハミルトン、ロズベルグとも「長い」電話会談を行ったと伝えている。
その結論をヴォルフは『APA通信』に明かしている。
「パディが無線で何か言った場合、それに従わなければならない。たとえドライバーにとってその瞬間は理不尽に思えたとしてもだ」
ロズベルグとハミルトンも、この方針に合意したと記事は伝える。
「異なる戦略だった場合、もう1台を妨げてはならないというのは、シーズン最初からあった合意事項だ」
ただし、ハンガリーGPでロズベルグがハミルトンに十分近づけなかったように、追い抜く可能性を示せない場合は別だという。
「誰もアクセルを戻すべきではない」とヴォルフは説明する。
ハンガリーGPについてヴォルフは、「起きたことは起きたこと」と話している。
「だが問題が起きたら、少なくともそこから可能な限り学ばなければならない」