先週末に開催されたF1ドイツGP(第10戦)は、観客数が非常に少なかったことが話題に上っている。そして、そのいくつかの非難の矛先がドイツ人ドライバーであるセバスチャン・ベッテル(レッドブル)に向けられているようだ。
カナダ(第7戦)、オーストリア(第8戦)、そしてイギリス(第9戦)まで超満員の観客で膨れ上がっていたF1だけに、空席が目立ったドイツGPは異様な光景として誰の目にも映っていた。
「多分、みんなワールドカップ疲れが出ていたんじゃないかな」と語ったのはレッドブルのチーム代表であるクリスチャン・ホーナーだ。
だが、ひょっとするとドイツのファンは、彼らが誇る4年連続F1チャンピオンのセバスチャン・ベッテルの言葉を忘れなかったのかもしれない。
今シーズンが開始されたころ、F1関係者の中には大音響を奏でていた昨年までのV8自然吸気エンジンから、静かなV6ターボエンジンへと転換したことを非難する者も多かった。そして、ベッテルも今年のF1エンジンは「クソ」だと発言して物議をかもしていた。
「ああいうことはよくなかったね」と語ったのはメルセデスAMGのトト・ヴォルフ(ビジネス担当エグゼクティブディレクター)だ。
「我々はシーズンが始まったとき、このスポーツをおとしめるような話をしていた。我々の多くがこれについては責めを負うべきだね」
2年前には今年よりも1万人も多い観客を動員していたホッケンハイムだが、2014年の観客動員数が少なかったことで、今後の開催継続に赤信号がともることになるかもしれない。
ホッケンハイムリンクのアドバイザーを務めるカーチャ・ハイムは、次のように述べている。
「セバスチャンが新しいF1や彼のクルマに不満を抱え、多くのインタビューでF1がダメになったというような話をしたことが今回のことに結びついたのは間違いないですし、ああいったことを言うべきではありませんでしたね」
「ドイツが生んだ4年連続F1チャンピオンですし、人々は(チケット)販売担当の人の話より、彼の言うことのほうを信じてしまうんです」
今年の観客動員数にはそのほかにも多くの要素があったことも認めたハイムだが、F1にはもっと「かっこよく」なるための努力をしてほしいと結んだ。