メルセデスAMGは来週末のF1第10戦ドイツGPを前に、快進撃を続ける今季型車から複雑なFRIC(フロント・アンド・リア・インターコネクテッド)方式の機構を取り除くことにした。
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これに先立ってFIA(国際自動車連盟)は今週、同方式はすでに使用禁止のアクティブ・サスペンション(足回りの動きをコンピューターで制御する機構)を真似るもので基本的に規則違反だと各チームに通達、F1界全体に衝撃を与えた。
ドイツGP以降、こうしたF1競技委員長チャーリー・ホワイティングの技術指導に異議を申し立てるチームも出そうだ。だが、競技委員会が通達を支持するのは目に見えている。
懸架の前後左右、四辺を油圧装置でつなぐFRICは、少なくとも二、三年にわたって使われている技術だ。先べんをつけたのはロータスである。
そのような経緯がありながら、FIAは突如、可動式の空力装置は包括的に違反だとしてFRICに疑いの目を向けたものだから関係者の驚きは大きい。
2014型車両は、ほとんどが何らかのFRIC方式を使っている。中でも、もっとも複雑で効果的とされるのはメルセデスAMGとレッドブルの2チームが開発したものだ。
メルセデスAMGの会長ニキ・ラウダは10日(木)、こんなことをいっていた。「このシステムは二年半も使われてきた。その間の技術検査で異を唱えられることなどなかったのに」
「とつぜん見方が変わるなんて理解に苦しむ」と、ドイツ『Auto Motor und Sport(アウト・モートア・ウント・シュポルト)』誌のミハエル・シュミット記者に語るラウダ。
システムの合法性についてFIAは立場をはっきりさせよ、そのようにラウダは要求している。
「規則に違反するものに、これ以上、金をつぎこみたくない。果たして合法か違法か知りたいところだ」と、ラウダ。
シュミットの情報では、レッドブルもドイツGPに向けてマシンからFRICを取り払う方向だ。