マクラーレンの最高権威であるロン・デニスが、レッドブルの元空力部門責任者であったピーター・プロドロモウが、9月からマクラーレンでの業務を開始することを発表した。
マクラーレンでは、非常に評価の高い空力専門家であるプロドロモウと昨年末に契約を行っていた。だが、その時点でレッドブルは、プロドロモウとレッドブルとの契約が満了する日までは彼を手放さないと主張していた。当時、レッドブルとプロドロモウとは2014年末までの契約を結んでいると考えられていた。
現在、苦境にたたされている名門マクラーレンだが、最近、デニスはそうした状況においても今後に向けて楽観的な発言を行っていた。そして今週、デニスは次のようにプロドロモウの加入について言及した。
「我々はピーター・プロドロモウを9月から迎え入れることになった。これは大きなステップとなるだろう」
「これにより、我々の空力チームは活性化され、増強されていくことになる。それゆえ、私は来年の空力パフォーマンスに関しては不安を抱いていない。うまくいくだろう」
プロドロモウが予定よりも早くマクラーレンに合流することになったのは、最近マクラーレンとレッドブルの間に起こった訴訟騒ぎと関係があると考えられている。
マクラーレンでは、レッドブルにおいてプロドロモウの下で空力部門の副責任者を務めていたダン・ファローズとも移籍契約を結んでいた。だが、その後ファローズは翻意し、レッドブルへと戻っていた。これに対し、マクラーレン側ではファローズに対し不当な慰留工作を行ってマクラーレンとの契約不履行に至らせたとし、レッドブルに対して訴訟を起こすと宣言していた。
だが、2週間前に、マクラーレンとレッドブルは法廷外において和解が成立したことが明らかとなっていた。
報道によれば、両者の間には金銭を伴わない和解が成立しており、それは恐らくレッドブル側が、すでに「ガーデニング休暇」と呼ばれる移籍留保期間に入っていたプロドロモウとの契約を解除し、マクラーレンでの早期業務開始を認めたことによるものだと考えられている。
プロドロモウは2006年にレッドブルに移籍するまではずっとマクラーレンで勤務しており、今回は古巣への復帰ということになる。