フェラーリからF1デビューを飾ったオリバー・ベアマンが土曜日に6ポイントを獲得し、ファン投票で決まる『ドライバー・オブ・ザ・デイ』にも選ばれた。一方で、彼のF1におけるフルタイム・シートの将来についても噂が飛び交い始めた。
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フェラーリのフレデリック・バスール代表は、18歳のイギリス人ドライバーの可能性について「楽観視していなかった」と認めている。
「みんなが彼の才能に気づいているし、彼がF1に来るのは時間の問題だと思う」とチームメイトのシャルル・ルクレールは語った。
しかしながら、今年のF1グリッドにはフルタイムのルーキーが1人もいない。これはF1の近代史全体でも初めてのことだ。
■ハースからのF1デビューを予想する元F1ドライバー
しかし、それは2025年には変わるかもしれない。ベアマンは今年、すでにフェラーリエンジンを搭載するハースの公式リザーブドライバーを務めている。
ハースは、フェラーリのマラネロ本社の敷地内に重要な技術施設を持っている。
今シーズンはフリー走行1回目で6回にわたってハースのコックピットに乗り込む予定で、ジェッダでの印象的なデビューと相まって、2025年のフルタイムドライブが実現しそうだ。
つい数日前、小松礼雄チーム代表(ハース)は、ケビン・マグヌッセンがバーレーンGPでニコ・ヒュルケンベルグに予選で負けたことを「容認できない」と評した。
「最初の結論は通常、最もシンプルなものだ。それは彼(ベアマン)が来年もハースでドライブするということだ」と元F1ドライバーで、現在はオランダGPの代表であるヤン・ラマースは、『NOS』に語った。
「ハースも彼のようなドライバーを必要としている。ベアマンはそこでとてもうまくやれると思うし、彼らの本社もマラネロにある。これは偶然ではない」。
■ラルフ・シューマッハ「彼のF1参戦が楽しみ」
もう一人の元F1ドライバー、ラルフ・シューマッハは、ベアマンが10代のルーキーでもF1への大きなステップアップに対応できることを証明してくれたことに安堵しているという。ベアマンの17歳のF2チームメイトである2025年のメルセデスF1候補、キミ・アントネッリにとっても良いニュースだ。
「彼のような人物が、あのように深いところに放り込まれたことは非常に重要だった。どのチームも新しいドライバーを起用することをほとんど恐れていたからね」とシューマッハは『Sky Deutschland(スカイ・ドイツ)』に語った。
「うまくいけば、また新しいドライバーが入ってくるかもしれない。来年、彼がF1に参戦するのを楽しみにしているよ」。
■マグヌッセンは危機的状況
デンマークのレーシングドライバー、ジェイソン・ワットも、18歳のベアマンのパフォーマンスが31歳のマグヌッセンにとって悪いニュースであることに同意している。
「“私の本”には、ハースの現ドライバー2人のうち1人は2025年の契約延長をオファーされないとデカデカと書いてある」と彼は『Ekstra Bladet(エクストラ・ブラデ)』紙に語った。
■ベアマンもハースF1のシート狙う
ベアマンも、ハースが今年大きなチャンスになる可能性を否定していない。
「今年、彼ら(ハース)でたくさんのフリー走行がある。そこで良い関係を築きたいし、うまくいけばドアが開くかもしれない。それは素晴らしいことだよ」
フェラーリのバスール代表も「彼にはまだマシンをテストし、最初のプラクティスに参加するチャンスがあるんだから、慎重に検討するよ」と見守っていくようだ。
「そして、彼がここ(ジェッダ)でポールポジションを獲得していたのに、私が彼のF2の週末を台無しにしてしまったことも覚えておこう」と笑った。