2023年F1シーズンも残すところあと2戦となったが、すでに今季はマックス・フェルスタッペンが3年連続でのドライバーズタイトルを獲得しており、レッドブルも2年連続でコンストラクターズチャンピオンに輝いている。
●【2023年F1チャンピオンシップ・ランキング】第21戦F1サンパウロGP終了後
2025年まではF1技術レギュレーションがほとんど変わらないことから、少なくともあと2年はフェルスタッペンとレッドブルがF1タイトルに最も近い位置にいるのは間違いないだろう。
だが、こうした中、今季中盤から大きな躍進を遂げたマクラーレンのランド・ノリスが2024年にはフェルスタッペンの最大のライバルとして浮上してくると考えられている。
■マクラーレンの躍進を認めるレッドブルとメルセデス
レッドブルのチーム代表を務めるクリスチャン・ホーナーも、現時点においては、フェラーリやメルセデスではなくマクラーレンが次のタイトル挑戦者だと考えているようだ。
「もし彼らが今の調子を来年に持ち越せば、間違いなくタイトル争いに加わってくるだろう」とホーナーは語っている。
メルセデスのチーム代表であるトト・ヴォルフもマクラーレンが大きな躍進を遂げたことを認め、次のように語っている。
「彼らは序盤のレースではQ1を突破するのがやっとだった。今の彼らはマックスにさえ挑戦している」
■7月以降は2024年型マシン開発が中心になっているとマクラーレン
ヴォルフが言うように、マクラーレンは今季序盤は非常に苦しんでいたものの、シーズン終盤に来てノリスやルーキードライバーのオスカー・ピアストリがめざましい活躍を見せるようになっている。
だが、今季からチーム代表としてマクラーレンを率いているアンドレア・ステラは次のように語り、実際にはシーズン後半に入った時点では2024年型マシン開発に全力を注いできていることを明らかにしている。
「我々は7月からはほぼ全速力で来年のマシンに取り組んできているよ」
■マクラーレンF1マシンの優位性を認めるフェルスタッペン
しかし、今季ここまでの20戦のうち17戦で勝利するという圧倒的な強さで3年連続でのF1ドライバーズタイトル獲得を決めたフェルスタッペンは、マクラーレンのマシンには明確な強みがあると認めている。
26歳のオランダ人ドライバーは、先週末にインテルラゴス・サーキットで行われたF1サンパウロGPの後で次のように語った。
「彼らのマシンは僕たちのマシンよりも縁石やバンプの上でうまく走っているよ」
■レッドブルが抜きん出ていることに変わりはないとマクラーレンのボス
それでも、ステラに言わせれば、レッドブルのサスペンションシステムはグラウンドエフェクトの時代を迎えても依然として優れているという。
「それはとても重要なことだ。空力効果を最大限に引き出すためだけでなく、シャシーとの唯一のリンクとしてね」
そう語ったイタリア出身の52歳となるステラは、次のように付け加え、レッドブルの2023年型F1マシンを賞賛している。
「だから、サスペンションがタイヤを使う上で基本的な役割を果たしているということだよ」
■ノリスには改善すべき点もあるとラルフ・シューマッハ
しかし、元F1ドライバーのラルフ・シューマッハは、ノリスが直近の6レースでは2位4回、3位1回という見事な活躍を見せているにもかかわらず、2024年にタイトルに挑戦しようとするのであれば改善すべきこともあると指摘している。
「ランドはマックスの一番の追跡者となった」
母国ドイツのテレビ局『Sky Deutschland(スカイ・ドイチュランド)』にそう語った48歳のシューマッハは、次のように付け加えた。
「しかし、彼はまだ多くのミスを犯している。特に予選でね」
ステラも次のように語り、ノリスやチームには微調整の必要性があると認めている。
「我々がやらなければならないのは、こうしたほんのわずかな小さなミスを最小限に抑えることだ」