アストンマーティンが、2026年からワークスF1エンジン供給を受けることになるホンダとの準備をすでに始めていることを明らかにした。
■シーズン中盤から勢いが衰えたアストンマーティン
イギリスのシルバーストンに本拠を置くアストンマーティンだが、現在はメルセデスからエンジン供給を受けている。そして、2023年シーズン序盤のアストンマーティンはそのメルセデスをしのぐパフォーマンスを発揮し、2022年シーズンをコンストラクターズランキング7位で終えたことがうそだったかのような活躍を見せていた。
しかし、メルセデスやフェラーリといった大手自動車会社のワークスチーム勢がシーズン中の開発によってパフォーマンスを向上させたことで、シーズン中盤以降アストンマーティンの相対的パフォーマンスは低下してきている。
「我々のアップデートは期待したほどにはうまくいっていない」
アストンマーティンのチーム代表を務めるマイク・クラックはそう認め、次のように付け加えた。
「我々の方法論や開発の方向性が正しかったのかどうかあれこれ考えているところだ。だから、将来に向けて必要な変更を行っていかなくてはならない」
アストンマーティンは新たなファクトリーに投資しており、近いうちにその施設内に設けられた風洞を稼働させる予定となっている。
■タイトルを狙うにはワークスエンジンが必要
それと同時に、アストンマーティンではホンダとのコラボに向けた準備もすでに進められているようだ。
「現在、我々はメルセデスからギアボックスとリアサスペンションを購入している」
アストンマーティンのエンジニアリングディレクターを務めるルカ・フルバットはそう語ると次のように続けた。
「2026年にはホンダのワークスチームという立場に到達することになる」
「多くのことが変わるだろうし、マシンのために多くの新しいプロジェクトを実行する必要も出てくるだろう」
アストンマーティンが2025年シーズン限りでレッドブルと決別することになるホンダと手を組むことにしたのは、トップF1チームとなることを目指しているためだ。
「過去にはそうではなかったが、ハイブリッド方式パワーユニットが導入されて以来、ワークスチームだけがF1タイトルを獲得している」
かつて、ティレル、BAR、トヨタ、マクラーレン、トロロッソ、ザウバーと渡り歩き、2022年にアストンマーティンに加わった51歳のフルバットはそう語ると、次のように続けた。
「我々はメルセデスから受け取っているものに非常に満足している。しかしながら、マシンの構造に関しては部分的にメルセデスにリードを許している。我々はパワーユニット、ギアボックス、リアエンドの寸法を受け取っており、メルセデスが提供してくれるものを中心にマシンの設計を合わせなければならないんだ」
「2026年には、ホンダのパワーユニットと我々が製造するギアボックスによって、自分たちの運命をコントロールすることになる。勝利に向けて次のステップに進みたいのであれば、これが我々のやるべきことなんだ」
■すでにホンダとの意見交換も
フルバットによれば、すでにホンダとの間で相互理解を深めるための“ミーティング”がすでに行われているという。
「お分かりのように、彼らにとってはまだ始まったばかりだが、2026年仕様エンジンは急速に発展しているんだ」
フルバットはそう語ると、次のように付け加えた。
「我々はアイデアを交換しており、彼らは信じられないほど積極的な反応を示してくれているよ」。