レッドブル首脳のヘルムート・マルコ(モータースポーツアドバイザー)が、アルファタウリの2024年のドライバーラインアップはまだ決定していないと主張した。
●【2023F1第17戦日本GP】全セッションの結果・開催スケジュール
■いまだに発表がない角田のアルファタウリ残留
最近の噂では、角田裕毅が来季もアルファタウリで走るのは確定的だと言われており、F1日本GPの舞台となる鈴鹿で21日(木)にそれが発表され可能性があると考えられていた。
だが、どうやらそれは延期されたようだ。
というのも、現在負傷欠場中のダニエル・リカルドの代役を務めている21歳のニュージーランド人ドライバーであるリアム・ローソンが期待以上のパフォーマンスを示していることもあり、レッドブルとアルファタウリの首脳陣たちも現時点ではまだ決めきることができていないようだ。
■交渉には複雑な背景も?
実際のところ、23歳の角田も21日(木)に鈴鹿で次のように語っていた。
「話はしています。ですが、まだ確定はしていません」
アルファタウリのチームCEOであるピーター・バイヤーは、角田との新契約締結に関してホンダを話をしていることを認めている。だが、レッドブルとアルファタウリは2025年シーズンを最後にホンダと決別することが決まっており、このことも少なからず角田の去就にも影響を及ぼす可能性がありそうだ。
角田は21日(木)に次のように語り、複雑な問題があることを示唆している。
「つまり、ホンダは16歳のときから僕をサポートしてくれています。ですから、彼らなしでは僕はここにはいなかったでしょう」
「しかし、同時に、レッドブルがいなくても僕はここにいないでしょうね」
■自分にできることをやるだけだとローソン
とは言え、鈴鹿のパドックでは、2024年には角田とリカルドがアルファタウリのシートをキープすることになるという見方をしている者が多いようだ。
そうであれば、前戦シンガポールGPで今季アルファタウリとしては最上位の9位入賞を果たし、2ポイントを獲得する活躍を見せたローソンは来季もリザーブドライバーとして過ごすことになる。
「またリザーブに戻るのはうれしくないよ」
鈴鹿でそう認めたローソンは、次のように続けた。
「もちろん、F1に入るのがどれだけ難しいことなのかはわかっているよ」
「なるようにしかならないよ。僕はただ、それを最大限に利用するだけさ」
■ローソンを高く評価するレッドブル首脳
しかし、ローソンがここまでの3レースでレッドブル首脳陣に感銘を与えるだけのパフォーマンスを示したのは間違いない。
80歳のマルコは日本GPを前に母国オーストリアの『Kleine Zeitung(クライネ・ツァイトゥング)』紙から、ローソンがシンガポールで2ポイントを獲得してみせたことについて質問されると、次のように答えていた。
「センセーショナルだったよ。それは明らかだ」
「かなり難しい状況でF1に放り込まれながら、3戦目でポイントを獲得することなどできることではないし、すでにモンツァ(第15戦イタリアGP)でもそれができるところだったんだからね」
そして今、マルコは、すでにローソンを来季もリザーブで起用するという決断が下されているわけではないと主張し、次のように付け加えている。
「今週末には決まるはずだよ」
■3人全てにチャンスがあるとアルファタウリF1チームCEO
昨年の5月までFIA(国際自動車連盟)のF1担当エグゼクティブディレクターを務め、今シーズン途中からアルファタウリのチームCEOに就任したバイヤーも次のように語っている。
「もちろん、どのようにするのが理想的なのか、一定の考えは持っている。しかし、現時点ではまだ決めていないし、3人全てにチャンスがあるよ」