メルセデスのジョージ・ラッセルが、2024年には自分たちがレッドブルとタイトル争いができるようになると予測することは「不可能」だと主張した。
■2022年から開発競争で後れをとったメルセデス
2022年に導入された新たな技術レギュレーションによってF1マシンはシャシーそのものがダウンフォースを発生する“グラウンドエフェクト効果”を持つものに変わっている。
そして、そのレギュレーションに最もうまく対応できたレッドブルが圧倒的な強さを手に入れた一方で、ハイブリッド方式F1エンジンが導入された2014年以降最強F1チームとして君臨してきたメルセデスは2年前には想像もできなかったような苦戦を強いられている。
■アストンマーティンとマクラーレンがやったことは自分たちにもできるとヴォルフ
しかし、メルセデスのチーム代表であるトト・ヴォルフは、アストンマーティンとマクラーレンが今年大きく躍進したことに刺激を受けているようだ。
「我々の現在の位置からすれば、我々にはマクラーレンとアストンマーティンが一気に達成したようなステップが必要だ。ゲームに戻るために、コンマ2秒のアップグレードではなく、コンマ5秒のアップグレードがね」
そう語った51歳のヴォルフは、次のように付け加えた。
「私はそれが可能だと思っている」
■予測するのは不可能だとラッセル
その可能性はゼロではないかもしれない。だが、2020年からルイス・ハミルトンのチームメートを務めているラッセルは、2024年に全く新しいマシンを投入するとしても、そのような大きなステップを達成できると予測するのは不可能だと考えている。
25歳のラッセルは、オランダの『Formule 1(フォーミュレ1)』に次のように語った。
「実際に何かを予測することは不可能だよ」
「アストンマーティンが冬の間にこれほど飛躍するとは誰も予想していなかったし、誰もマクラーレンが突然2番目もしくは3番目に速いマシンになると予想してはいなかったよ」
■もちろん来季の目標はタイトル争いに復帰すること
そう語ったラッセルだが、もちろん、メルセデスが大きく前進することを期待しているのも確かだ。
「優れた空力開発と風洞でのテスト時間があれば、ウィリアムズのようなチームも突然大きな前進を遂げることができる。だから、最も重要なことは、自分たちがどこを改善できるかを検討し続けることだよ」
「もちろん、チームには才能ある人材が揃っているから、目標は来シーズンに再びタイトルを争うことができるようにすることだよ」
メルセデスとの契約が延長され、少なくとも2025年までは同じイギリス出身のハミルトンと一緒に戦うことになるラッセルはそう語ると、次のように付け加えている。
「だけど、絶対にそれを達成できると胸に手を当てて言うつもりはないよ。なぜなら、ほかのチームに何ができるのかは全くわからないからね」