先週末にスパ・フランコルシャンで行われた2023年F1第13戦ベルギーGPでも、現F1チャンピオンであるマックス・フェルスタッペン(レッドブル)が勝利を収めた。
●【2023F1第13戦ベルギーGP】決勝レースや全セッションの結果、開催スケジュール
これで、ここまでの12レース中10レースで勝利したフェルスタッペンと、ドライバーズランキング2番手につけているチームメートのセルジオ・ペレスとの差は125ポイントにまで広がっている。
もはや、25歳のオランダ出身ドライバーがF1ドライバーズタイトル3連覇を達成するのは時間の問題だと言ってもかまわないだろう。
■現実味を帯びてきたレッドブル全勝の可能性
しかも、今シーズン序盤にはペレスが2勝をあげており、ここまでのところ全てのレースでレッドブルが勝利を飾っている。そして、このまま今シーズンの全てのレースをレッドブルが制する可能性もだんだん膨らんできている。
レッドブル首脳のヘルムート・マルコ(モータースポーツアドバイザー)はベルギーGP決勝終了後に、このままレッドブルが負けなしで今シーズンを終えることは可能だと思うかと尋ねられると、『DAZN(ダゾーン)』に次のように答えている。
「現実的には、ノーと言わざるを得ないね」
「だが、我々はすでに12勝している。そして、我々も最初はそんなことはできないと言っていたんだ。だから、どうなるかなんてわからないよ」
しかし、このところ不振が続いていたペレスの調子もまた上向きつつあり、ベルギーではフェルスタッペンに次ぐ2位フィニッシュを達成している。ペレスがシーズン後半に再び調子を上げてくれば、万が一フェルスタッペンに何らかのトラブルが発生しても、ペレスがそれを補うことが期待でき、レッドブルのシーズン全勝の可能性もさらに高まっていきそうだ。
マルコも、これについて次のように語っている。
「マックスに次ぐ2位は、勝利のようなものだよ」
■圧倒的な力の差を見せるフェルスタッペン
実際のところ、現在のフェルスタッペンはまったく別次元の強さを見せているのは確かだ。
金曜日(28日)に行われた予選で最速タイムを刻んだものの、規定数を超えるギアボックス交換により5グリッド降格ペナルティを受けてシャルル・ルクレール(フェラーリ)にポールポジションを譲ったフェルスタッペンだったが、決勝では着実に順位を上げ、ルクレールをオーバーテイクして首位に立っていたペレスをも難なく追い抜くと、最終的には2位に22秒もの差をつけてチェッカーフラッグを受けている。
マルコは、昨年もスパ・フランコルシャンのレースを14番グリッドからしながら優勝を遂げていたフェルスタッペンについて、次のように語っている。
「彼はおそらく最後尾グリッドからでも優勝していただろう」
■フロントウイングがなくても優勝できそうだとティモ・グロック
そして、ドイツ出身元F1ドライバーであるティモ・グロックもフェルスタッペンの強さには舌を巻いているようだ。
「マックスは、週末の間ずっとハードタイヤだけで戦っても基本的には勝つことができると言わざるを得ないだろうね」
かつてトヨタやヴァージンで活躍した41歳のグロックは『Sky Deutschland(スカイ・ドイチュランド)』にそう語ると、微笑みを浮かべながら次のように付け加えた。
「あるいは、フロントウイングがなくてもね」。