最近、2つか3つのF1チームが2021年にバジェットキャップ(チーム予算上限)ルールを破っていたことで処分を受ける可能性があるという噂が報じられているが、F1統括団体であるFIA(国際自動車連盟)がこのほど、そうした噂は根拠のないものだと主張した。
■バジェットキャップ違反に対して厳しい処分を望む声
昨年はレッドブルとアストンマーティンが2021年に予算をオーバーしていたことが発覚。これによりレッドブルには700万ドル(約10億円)の罰金と、2023年の風洞時間10パーセント削減ペナルティが、そしてアストンマーティンの場合は“手続き上の違反”だったとして45万ドル(約6,600万円)の罰金が科されている。
たが、F1最高経営責任者(CEO)のステファノ・ドメニカリは最近、今後の違反に対しては単に罰金や開発時間の削減ではなく、“競技”に直接的影響を及ぼすような処分を下したいとの考えを表明している。
7回F1チャンピオンとなった実績を持つルイス・ハミルトン(メルセデス)もそのドメニカリの考えに賛成のようだ。
最近のバジェットキャップ違反に関する噂について質問された38歳のハミルトンは、次のように答えている。
「前回は、彼らはとりたてて重い処分を受けたわけではなかった。つまり、実際にはルールがないようなものさ。だから、おそらくまた違反するチームが出てくるだろうね」
■F1チームの財務処理を厳しく監視するFIA
最近、FIAはF1以外の業務を行う子会社を有するチームに対し、出費の抜け穴を悪用しないよう警告する技術指令を出した。伝えられるところによれば、特に目を付けられているのは、レッドブル、メルセデス、アストンマーティン、そしてフェラーリだと考えられている。
そして、その後、2チームもしくは3チームが2022年のバジェットキャップに違反したのではないかという噂が流れ始めていた。
■現在の噂は根拠のないものだとFIA
だが、このほど、FIAの広報担当者はこれらの報道は「根拠のないものだ」と主張し、次のように付け加えた。
「チームから提供されたデータの監査プロセスが進行中であり、数週間以内に完了するはずだ」。