先週末に行われた今季のF1第10戦オーストリアGPではF1ドライバーズタイトル3連覇を目指すマックス・フェルスタッペン(レッドブル)が全てのセッションでトップに立つとともに、決勝ではファステストラップも刻むという「完全勝利」を達成している。
■あまりにも強すぎる2023年のレッドブル
2023年F1シーズンはここまでに9レースが消化されているが、そのうちの7レースはフェルスタッペンが、そして残りの2レースはチームメートのセルジオ・ペレスが勝利しており、レッドブルのライバルチームたちはまだ1勝もあげることができていない。
あまりにもレッドブルが強すぎることから、中には、F1やFIA(F1統括団体の国際自動車連盟)は、ルール修正などによってこうした状況に介入するべきだと主張する者も出てくる状況となっている。
■ルール修正などで介入するのは間違いだとブルツ
しかし、元F1ドライバーであり、現在もF1ドライバーによる任意団体であるGPDA(グランプリ・ドライバーズ・アソシエーション)の会長を務めるアレクサンダー・ブルツは、それはフェアではないと考えている。
「我々は純粋なスポーツであり、優れていることを罰してはならない」
「それはスポーツのDNAに対するあまりにも大きな介入となるだろう」
母国オーストリアの『Kronen Zeitung(クローネン・ツァイトゥング)』にそう語った49歳のブルツは次のように付け加え、ライバルチームたちはまず現在のF1技術レギュレーションにうまく対応できるように努力することが必要だと示唆している。
「他者が追いつくための一番の近道はレギュレーションが安定することだよ。現在は、ほかの全てのチームは最適に機能しておらず、レッドブルは最適以上に機能している、そういう現象が起きているんだ」