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シーズン中のF1マシン開発に新たな抜け穴か?FIAがトップ4チームの予算管理を調査・・・対象のメルセデス「46人がネジ1本まで経費管理」と違反を否定

2023年06月23日(金)18:07 pm

2023年F1シーズンは、ここまでのところ2021年と2022年のF1チャンピオンであるマックス・フェルスタッペン(レッドブル)が圧倒的な強さを誇っており、すでにランキング2番手につけているチームメートのセルジオ・ペレスに対して69ポイントもの大差をつけている。

だが、ライバルチームたちも、なんとかレッドブルとの差を縮めようと、現在必死に2023年型F1マシンの改良に取り組んでいる。

■現時点ではアストンマーティンがメルセデスをリードか

そして、元F1ドライバーであるラルフ・シューマッハは、現時点ではアストンマーティンが「これらの改良によってメルセデスより少しだけ先を行っている」と考えている。

実際のところ、アストンマーティンは最近、自分たちの2023年型F1マシンに大規模なアップグレードを施しており、シューマッハは来週末に今季の第10戦オーストリアGP(7月2日決勝)が開催されるレッドブルリンクではアストンマーティンのフェルナンド・アロンソが「マックス・フェルスタッペンの最も手強いライバルになるだろう」と予想している。

■あと1回のアップグレードで勝利に手が届くとメルセデス

しかし、メルセデスもレッドブルとの差を縮めてきていると主張している。

メルセデスのチーム代表を務めるトト・ヴォルフは、先週末にモントリオールで行われたカナダGPではルイス・ハミルトンがフェルスタッペンとアロンソに次ぐ3位だったものの、自分たちのマシン改良には手応えを感じているようだ。

ヴォルフは、ドイツの『Auto Motor und Sport(アウト・モートア・ウント・シュポルト)』に次のように語っている。

「私は、これから迎えるサーキットはもう怖くないよ」

また、『Auto Motor und Sport(アウト・モートア・ウント・シュポルト)』は、メルセデスのあるエンジニアが次のように語ったとも報じている。

「勝利まで、あと1回アップグレードを行うだけだ」

■メルセデスの次回アップデート投入はイギリスGP

ヴォルフは、メルセデスではすでにアップグレードに着手していることを明らかにし、次のように続けている。

「シルバーストン(第11戦イギリスGP/7月9日決勝)に大きなアップグレードを投入し、その後は小さなアップグレードを持ち込むよ」

「マシンのコンセプトを変えて以来、我々は多くのことを学んできている」

「シミュレーションとレースサーキットとの相関関係はかなり改善されたので、今は着実に少しずつ実行しているところだ」

■バジェットキャップ違反に目を光らせるFIA

しかし、メルセデスやほかのチームたちがシーズン中盤にこれほど大幅なマシンアップグレードを本当にバジェットキャップ(チーム予算上限)の範囲内で行っているのかどうかは疑問だと考えている者もいるようだ。

イタリアの『La Gazzetta dello Sport(ガゼッタ・デロ・スポルト)』によると、F1統括団体であるFIA(国際自動車連盟)は現在、トップチームのF1以外の活動(例えば、ボート、バイク、ロードカーの設計などを含む)が、バジェットキャップの抜け穴として用いられていないかどうかを調査しているという。

「メルセデス、フェラーリ、レッドブル、そしてアストンマーティンの4チームに対し、明確にするよう要求があった」と『La Gazzetta dello Sport(ガゼッタ・デロ・スポルト)』は報じている。

■我々にバジェットキャップ違反はないとメルセデス

実際、昨年行われた調査では、2021年にレッドブルが“軽微な”バジェットキャップ違反を犯していたと判定され、その結果レッドブルには多額の罰金と共に2023年の風洞時間削減というペナルティーが科されている。

こうした中、メルセデスF1チームを率いるヴォルフは、自分たちにはそのような心配はないと次のように主張している。

「我々には、最後のネジ1本に至るまで、全ての経費を管理している46人の従業員がいるんだ」

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