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角田裕毅の同僚ニック・デ・フリースのF1キャリアが2023年シーズン前半で終わる可能性も?

2023年06月20日(火)17:13 pm

今季アルファタウリでF1デビューシーズンを戦っているニック・デ・フリースだが、その将来は依然として不透明な状況にあるようだ。

■今も苦戦が続くデ・フリース

2019年のF2チャンピオンであり、フォーミュラEでも2020-2011シーズンにチャンピオンとなった実績を持つ28歳のオランダ出身ドライバーであるデ・フリースは、アルピーヌへ移籍したピエール・ガスリーの後任として今季角田裕毅のチームメートに起用されたものの、ここまでのところまだ1ポイントも獲得することができていない。

少し前にはレッドブル・レーシングとアルファタウリのドライバープログラム責任者であるヘルムート・マルコが、デ・フリースはあと3レースのうちにパフォーマンスを改善する必要があると語ったことが報じられていた。

その後、デ・フリースがシーズン序盤よりもパフォーマンスを改善しつつある兆しが見えてきてはいる。

■マグヌッセンに対するミスも痛かったとヤン・ラマース

しかし、現在F1オランダGPの運営責任者を務めている元F1ドライバーのヤン・ラマースは、まだデ・フリースが今季のF1最終戦までアルファタウリで走っているという保証はないと考えているようだ。

ラマースは、デ・フリースが先週末に行われたF1カナダGP決勝においてケビン・マグヌッセン(ハース)とのホイール・トゥ・ホイールの戦いでミスを犯したことも大きなマイナス点となった可能性があると考えている。

「彼はマグヌッセンに全くスペースを与えなかった」

『NOS(オランダ放送協会)』にそう語ったラマースは、次のように続けた。

「そのため、マグヌッセンは互いにぶつかるのを防ぐためにコースをはずれなければならなかったんだ」

「私は彼が混乱していたのだと思う。あそこは、通常はオーバーテイクできるコーナーではないからね。ニックはすごくブレーキを遅らせていた。マグヌッセンは普通のタイミングでブレーキをかけたが、ニックがそこにいたのでターンインできなかったんだ」

そう語ったラマースは、カナダGPのレーススチュワードがそのデ・フリースのミスに対してペナルティーを科さなかったのは驚きだったとし、次のように付け加えている。

「レースマネジメントはニックに甘かったと私は思うよ」

■母国レース出走のためにはパフォーマンス向上が必須

ラマースは今年のF1オランダGP(8月27日決勝)にマックス・フェルスタッペン(レッドブル)とデ・フリースという2人のオランダ人ドライバーが出場することは、レースの舞台となるザントフォールトへの贈り物のようなものだとしている。

しかし、ラマースによれば、そのときにデ・フリースがまだアルファタウリで走っているかどうかはわからないという。

デ・フリースは夏休み後もアルファタウリのコックピットにいると思うかと質問されたラマースは次のように答えている。

「私はその話題には加わりたくないんだ」

「私は、ニックを含め、みんなの幸運を祈っている。だが、レッドブルは無慈悲だ。だから、彼はパフォーマンスを発揮しなければならないよ」

■デ・フリースにはもっと時間が必要

ラマースは、デ・フリースが現在置かれている状況は、かつてアレックス・アルボンが2020年シーズン後にレッドブルのシートを失ったときと似ているという。

アルボンは、翌2021年にはDTM(ドイツ・ツーリングカー選手権)に参戦しながらF1復帰のチャンスを探り、最終的には2022年にウィリアムズのシートを確保している。

「アルボンはニックと同じ状況にあったんだ」

67歳のラマースはそう語ると、先週末のカナダGP決勝でアルボンがファン投票により“ドライバー・オブ・ザ・デイ”に選出される活躍を見せたことに言及しながら次のように続けた。

「彼は新たなチャンスを得て、今ではドライバー・オブ・ザ・デイになった。そんなことが起こると誰が考えていただろうか?」

「しかし、アルボンのようなことを成し遂げるには、デ・フリースにはもっと時間が必要だよ」

「彼が今シーズンを終えることができるかどうかって? 私はあえてそうだと言うつもりはないよ」

■夏休み前にポイント獲得が必要

だが、『NOS(オランダ放送協会)』のF1特派員を務めるルイ・デッカーは、デ・フリースにはもう時間はほとんど残されていないと考えているようだ。

デッカーは、デ・フリースがシーズン前半のうちにポイントを獲得するなど、明らかなパフォーマンス向上を示さなければ、レッドブルが現在日本のスーパーフォーミュラで活躍しているリアム・ローソンをその後任としてシーズン後半から起用する可能性もあるだろうと次のように語っている。

「リアム・ローソンならすぐにでも飛び乗れるよ」

「だから、(デ・フリースは)ミスを止めなければならない。本当に時間はないんだ」

「非常に多くのコストがかかるドライバーがポイントを獲得できなければ、すぐに終わりだよ」

そう語ったデッカーは、次のように付け加えている。

「ザントフォールトは夏休み明けの最初のレースだ。そして、チームが来年どうするかを検討するのは夏なんだ」

こうした中、元レーシングドライバーであり、1994年にフォーミュラ・ニッポンでチャンピオンとなったことから日本でもよく知られているトム・コロネルは、母国オランダの『Formule 1(フォーミュレ1)』に対し、デ・フリースがレッドブルとアルファタウリにとって「まだ投資に値するものではない」ことは明らかだと語っている。

デ・フリースが今シーズン後半に生き残るためには、夏休み前に行われる第10戦オーストリアGP(7月2日決勝)、第11戦イギリスGP(同9日決勝)、第12戦ハンガリーGP(同23日決勝)、第13戦ベルギーGP(同30日決勝)の4レースで何ポイントか獲得することが非常に重要になるのは間違いないだろう。

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