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レッドブルF1マシンのフロアを“100人がかりで研究”するマクラーレン

2023年06月08日(木)17:47 pm

マクラーレンのチーム代表を務めるアンドレア・ステラが、レッドブル2023年型F1マシンのフロアの詳細な写真を注意深く研究していることを認めた。

■モナコで白日の下にさらされたレッドブルF1マシンのフロア

5月27日(土)に行われたF1モナコGP予選Q1でクラッシュしたセルジオ・ペレスのマシンがコースから撤去されるためにクレーンで吊り上げられた際、カメラマンたちは一斉に普段は目にすることができないレッドブルF1マシンのフロア部分を撮影していた。そのフロアにレッドブルF1マシンの最も重要な秘密が隠されていると考えられているためだ。

レッドブルのチーム代表を務めるクリスチャン・ホーナーは、これに関して冗談めかして次のように語っていた。

「スカートの中を覗くのは、本当にすごく失礼なことだよ」

■コンセプトが理解できなければコピーしても意味がないとウィリアムズのボス

しかし、その写真を目にしたレッドブルのライバルたちは、そのフロアがいかに複雑なものであるかがわかり、落胆しただけだったと伝えられている。

今年からチーム代表としてウィリアムズを率いているジェームズ・ヴォウルスは次のように語っている。

「それにより、我々はライバルに比べて細かい作業が不足していることがはっきりとわかったよ」

「もちろん、我々も写真は見るが、レッドブルやメルセデスのフロアをそのままコピーするわけにはいかないよ。まず、なぜ彼らがそのような解決策をとっているのかを理解する必要があるからね」

「流動力学あるいはコンセプトを理解していなければ、コピーしても意味がないんだ」

ヴォウルスはさらに、レッドブルはフロアのアップデートも行うだろうとも考えている。つまり、モナコで撮影された画像をもとにそのフロアをコピーしたとしても、ライバルたちはさらに一歩、あるいはそれ以上後れをとることになるということだ。

「最終的には、それぞれのチームが自分たちのレーシングカーを効率的に開発する方法を見つけなければならないよ」とヴォウルスは付け加えている。

■マクラーレンでは100人の空力技術者がレッドブルのフロアを研究

しかし、ウィリアムズよりも規模の大きなチームは、それらの画像からレッドブルがそれをどのように機能させているのかについて多くのことを分析することができるだけのリソースを持っているかもしれない。

そして、そうしたチームのひとつがイギリスの名門F1チームであるマクラーレンだ。

「私自身は、個人的に、時間を費やしたよ」

そう語り、レッドブルF1マシンのフロア画像を丹念に見たと認めたマクラーレンのステラは、次のように続けた。

「だが、マクラーレンの100人の空力技術者はもう少し時間をかけることになるだろう。それは実に興味深いし、彼ら(レッドブル)の開発の複雑さと質の高さを示しているよ」

「正直なところ、これを見たとき、私はレッドブルには脱帽だと言ったんだ。彼らがどうしてこのようなパフォーマンスを発揮できるのか、私には理解できるよ」

■フェラーリのボスも認める「コピーは不可能だ」

一方、フェラーリのチーム代表であるフレデリック・バスールは、実際のところF1のトップチームたちは、クレーンの助けを借りずともライバルのF1マシンのフロアを盗み撮りすることは可能なのだと示唆している。

「我々は皆、ほかのマシンの写真をたくさん持っているよ」

そう語った55歳のバスールだが、結局のところ、ヴォウルスが言うように一部だけをコピーしても意味はないのだと次のように続けている。

「だが、何かをコピーしようとするのは、とても難しいし、不可能でさえあるんだ。なぜなら、そういうものひとつだけではなく、もっと包括的なコンセプトだからね」

「マシンのほんの一部分だけをコピーしたってだめなんだ」。

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