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F1は進化か伝統か?新スプリント案は実現する?「合理的妥協点を見つける必要がある」とアストンマーティンのボス

2023年04月18日(火)18:17 pm

アストンマーティンのチーム代表を務めるマイク・クラックが、F1が進化していくためには、新たな試みを行うことと、伝統を守ることに関して「合理的妥協点」を見つけることが重要だと語った。

■スプリントの見直しを図るF1

来週末には4週間ぶりに2023年のF1第4戦アゼルバイジャンGP(30日決勝)が開催されることになる。そして、その前に次回のF1委員会が開催され、そこで、“スプリント”の新フォーマットについても議論されることになるようだ。

2023年には、バクー市街地サーキットが舞台となる来週末のアゼルバイジャンGPを含めて全部で6つのグランプリでスプリントが実施される予定となっている。

現在は、スプリントが開催されるグランプリでは金曜日にスプリントのスタート順を決める予選が行われ、土曜日に行われるスプリントの結果によって日曜日に行われる決勝のスタート順が決定されることになっている。

だが、これまでに伝えられているところによれば、F1では今後、決勝とスプリントの予選をそれぞれ別に行うことにしたいと考えているようだ。つまり、これまで決勝のグリッド順を決める第2の予選的意味を持っていたスプリントが独立したレースとなり、その週末には決勝とスプリントレースという2つの独立したレースが行われることになるわけだ。

■F1チームたちはこの案に前向きだとウィリアムズのボス

ウィリアムズのチーム代表を務めているジェームズ・ヴォウルスは、アメリカのデジタルラジオ局である『Sirius XM(シリウスXM)』に次のように語っている。

「非常にいい会議が行われたよ。私とほかのチームのマネジャーたちで、このスポーツにとって何が良いことなのかを議論したんだ」

「我々は、(スプリント実施時の)現在のフリー走行2回目はよくないということで合意したよ。1時間の間、我々がやることはあまりないからね。ぐるぐる回るだけで、学ぶことはそれほどないんだ」

そう語ったヴォウルスによれば、F1を「より面白くする」という理由により、F1チームたちはスプリントの方式変更には基本的に同意しているという。

次のステップは「ルールを決める」ことだと指摘したヴォウルスは、次のように付け加えた。

「そのうえで、全員が満足であることを確認するための投票が行われることになる。つまり、この新しいフォーマットは、現時点では提案段階であり、その後完全に確定する段階に移行していくことを望んでいるんだ」

■進化と伝統維持の妥協点を見つける必要も

しかしながら、現F1チャンピオンのマックス・フェルスタッペン(レッドブル)など、こうした変更に対しては反対の立場をとっている者もいる。そうした者たちは、エンターテインメント性を高めることが優先され、結果としてF1の伝統、すなわち受け継いでいくべき“DNA”が危機にさらされるのではないかと心配しているのだ。

こうした中、BMWの前モータースポーツ責任者であり、2022年からチーム代表としてアストンマーティンを率いているクラックは、それに関して今後「合理的な妥協点」を見いだしていく必要があると主張している。

「F1は全般的に進化していく必要がある。だが、F1はそのDNAも守らなければならない」

「どのようにそれを達成するのかについて建設的な議論が何度か行われてきている。それは、関係者全員の利益を理解し、スケジュールやタイヤの供給、エンジンの走行距離など、すべてをおろそかにはできないということを考慮しなければならないからだ」

そう語ったルクセンブルク出身のクラックは、次のように付け加えている。

「合理的な妥協点を見つける必要がある。そして、ある時点では、個々のチームの利益は二の次にして、全体像に目を向ける必要が出てくるかもしれないね」。

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