ジョージ・ラッセル(メルセデス)が、7回F1王座に就いた記録を持つチームメートのルイス・ハミルトンが2021年シーズン限りでF1を去らなかったことで自分が「救われた」と語った。
■2021年シーズン限りでの引退も噂されていたハミルトン
2021年のF1最終戦アブダビGPにおいて、F1史上単独記録となる通算8回目のドライバーズタイトルをほぼ手中に収めたと思われたハミルトンだが、レース終盤にセーフティカーが導入された際のレース運営によってライバルのマックス・フェルスタッペン(レッドブル)に逆転されてしまった。
これにショックを受けたハミルトンは、しばらくの間表に出てくることがなくなり、そのままF1を引退してしまう可能性もあると噂されていた。
だが、結局、ハミルトンは2022年もレースを続けることになり、その年からバルテリ・ボッタス(現アルファロメオ)に代わってラッセルが新たなチームメートに迎えられた。
■ハミルトンがいなかったら正当な評価を得られなかったはず
メルセデスへ昇格する前は3年間ウィリアムズで走っていたラッセルだが、このほど、ハミルトンが2021年シーズン限りで引退することなく、2022年にチームメートとして同じチームで走ったことは自分にとって幸運なことだったと考えているようだ。
「ある意味で、彼がチームメートだったことで僕は救われたよ」
ドイツの『Speed Week(スピードウィーク)』にそう語ったラッセルは、それまで8年にわたってコンストラクターズタイトルを獲得したメルセデスがレッドブルに大差をつけられ、フェラーリにも敗れてランキング3位となった2022年シーズンに言及しながら次のように続けた。
「もし彼(ハミルトン)が、僕がこのチームに加わった時にメルセデスあるいはこのスポーツから去っていたとしたら、チームが後退したのは僕のせいにされていただろうからね」
「だけど、今の僕は自分の価値と実力を証明できたと思っているし、そのことに関しては全然プレッシャーはないよ」
■自分の力は証明済みだとラッセル
実際のところ、2022年に第21戦ブラジルGPでメルセデスにシーズン唯一の勝利をもたらしたラッセルは、ドライバーズランキングでも4位となり、6位に沈んだハミルトンを上回ってみせている。
さらに、2023年も第3戦オーストラリアGP決勝でエンジントラブルに見舞われてリタイアとなったことから、このレースで2位フィニッシュした38歳のハミルトンにランキングでは逆転されたものの、これまでに行われた3レースの予選では全てラッセルがハミルトンを上回るパフォーマンスを見せている。
「僕は自分の仕事を可能な限りうまくやるためにそこにいるし、すごくいい位置にいると思っているよ」
そう語った25歳のラッセルは、次のように付け加えた。
「だから、統計的なこととか、ルイスのペースについていけているかどうかとか、そういうことは気にしていないんだ。なぜなら、この1年ですでにそれは証明してみせたと感じているからね」。