レッドブル首脳のヘルムート・マルコが、レッドブルとしては2021年のバジェットキャップ(チーム予算上限)違反によって与えられた風洞時間の大幅削減というペナルティーがあるだけに、今のうちにできるだけライバルたちとの差を広げておく必要があると語った。
開幕戦バーレーンGPと第2戦サウジアラビアGPで連続1-2フィニッシュを飾ったレッドブルだが、今後に向けて不安材料が全くないわけではない。
そのひとつはマシンの信頼性問題だと考えられているが、マックス・フェルスタッペンとセルジオ・ペレスの関係も心配せざるを得ない状況になってきていると考えられている。
■フェルスタッペンは具合が悪かっただけ
実際のところ、先週末にジェッダ・コーニシュ・サーキットで行われたサウジアラビアGPでは、ドライブシャフトが壊れてしまったことで予選Q2敗退を喫したマックス・フェルスタッペンが激怒し、セッション後に行うべきチームへの報告をボイコットしたようだという噂がささやかれている。
だが、79歳のオーストリア人であるマルコは、この件について次のように説明している。
「マックスはひどい風邪が治ったばかりだったんだ」
「マシンを降りたときの彼の様子を見たかい? 彼は本当に具合がよくなかったんだ」
「彼はできるだけすぐにベッドに入りたがっていたよ」
■ドライバーたちは「多かれ少なかれ」指示を守った
しかし、現F1チャンピオンであるフェルスタッペンとチームメートであるペレスの関係がピリピリしていることも間違いないようだ。
昨シーズンから確執が噂されるようになっている2人だが、今年はこの2人がドライバーズタイトルを争うことになる可能性が高いだけに、その関係がさらに緊張を伴うものとなってきているのは確かだろう。
例えば、フェルスタッペンは、サウジアラビアGP決勝でファステストラップを狙わないようにしろというチームの指示を無視して最終ラップにファステストを刻んで1ポイントを獲得。それにより、現時点ではフェルスタッペンが1ポイント差でペレスをリードし、ランキングトップの座を維持している。
これに関して、マルコは次のように語っている。
「2人とも、多かれ少なかれ指示は守っていたよ」
「レース終了5周前に、彼らは全速で走っていいと言われたんだ。チェコ(ペレスの愛称)は優れた戦術家でもあるし、彼もファステストラップを出そうとしたんだ。だが、彼は第1セクターでミスをしてしまい、それでおしまいだった」
そう語ったマルコは、2023年シーズンを戦っていくためにはどんな理由であれポイントの取りこぼしは許されず、そのためにはチームワークが必要だと示唆し、次のように付け加えている。
「しかし、我々には2人のトップドライバーがいるし、風洞(時間削減)のペナルティーの影響が出る前にできるだけライバルたちを引き離しておかなくてはならないよ」
■アロンソのペナルティー問題はばかげていた
一方、マルコは、サウジアラビアGPにおいてフェルナンド・アロンソ(アストンマーティン)にペナルティーを科したものの、その後それを撤回するというお粗末な対応を行ったFIAのレーススチュワードを批判している。
「ジャッキの出来事は20周目に起こったんだ。レースを終え、表彰式を行い、その後に10秒ペナルティーが科されるなんて、ばかげたことだよ」
そう語ったマルコは、次のように付け加えた。
「そして、その後、それがまた取り消されたのはもっとばかげたことだ」。