2023年1月9日付けでフェラーリF1チームの新代表に就任することになったフレデリック・バスールだが、マラネロ(フェラーリ本部)で最初に直面することになるのはチーム内の「対立」問題かもしれない。
そう考えているのは、ドイツ出身の元F1ドライバーであるラルフ・シューマッハだ。
■ビノット更迭の背景にはルクレール陣営との対立?
チーム代表と技術部門責任者を兼務していたマッティア・ビノットをフェラーリが更迭した理由のひとつは、シャルル・ルクレール陣営がビノットと対立していたためだったようだとの噂がある。
事実上のフェラーリのナンバー1ドライバーだと考えている者が多いモナコ出身ドライバーのルクレールだが、そのマネジメントに携わっているニコラ・トッドはかつてフェラーリに黄金時代をもたらした元チーム代表のジャン・トッドだ。
ジャン・トッドは、フェラーリを離脱以後、2009年から昨年まで長期にわたってF1統括団体であるFIA(国際自動車連盟)の会長を務めていたが、そのジャン・トッドを父にもつニコラ・トッドはかなりの政治力を有する人物だと考えられている。
元F1ドライバーのラルフ・シューマッハは母国ドイツの『Sky Deutschland(スカイ・ドイチュランド)』に対し、ビノットの更迭の背後にルクレール陣営の思惑があったことは十分に考えられると示唆し、次のように語った。
「ビノットはどちらかというと、自分が連れてきたカルロス・サインツの方が気に入っていたんだ」
「シャルル・ルクレールはそれで少し苦しんでいたよ」
■バスールとルクレール陣営の間にも確執が?
しかし、ラルフ・シューマッハによれば、ルクレール陣営は必ずしもバスールが新チーム代表となることを歓迎しているわけでもなさそうだ。
ニコラ・トッドとバスールは、かつて一緒に仕事をしていたことがあるが、そのときに両者の間に確執が生じていたのだという。
「彼らはF3ではパートナーだった。しかし、彼らは仲たがいしてしまったんだ」
そう語ったラルフ・シューマッハは、次のように付け加えた。
「彼らが一緒にうまく仕事をすることができるのか、そこが面白くなりそうだね」