2022年11月27日、モビリティリゾートもてぎ(栃木県茂木)にて「ホンダ・サンクスデー2022」が3年ぶりに開催された。
この日の午前中、ホンダにしかできない、世界で戦っているライダーとドライバーのチーム制による恒例の「ホンダ・レーシング・カート・カップ(Honda Racing Kart Cup)」が行われた。
■予選とスタートは2輪ライダーが担当!
まず4分間の予選に出場したのは2輪ライダーたちで、モトクロス世界選手権のティム・ガイザーがポールポジションを獲得。意外な結果に場内のホンダ関係者も驚きを隠せない様子だった。
そして10分間の決勝レースは、2輪ライダーたちがスターティンググリッドに着いてスタート。逃げるティム・ガイザーをマルク・マルケスがオーバーテイクすると会場は大盛り上がり。バトルではマルケスのセンスが光った。
■佐藤琢磨はベテランの戦略と速さ
その後、各チームが決めた戦略通り、順次ピットインしていく。最初にピットインしたのは世界ラリーレイド選手権に参戦しているエイドリアン・ファン・ベベレンで、佐藤琢磨とドライバー交代を行った。
エイドリアン・ファン・ベベレンは185cm85kgの大柄な選手。カートは小柄で体重の軽い選手が圧倒的に有利なため、佐藤琢磨はレース前に「エイドリアン、でっかい(笑)」とその組み合わせに笑っていたが、見事なレース戦略と走りを披露して順位を上げていく。こうした戦略の巧さはさすがインディ500を2度制覇しただけある。
■レッドブルF1のワンツー!3位は琢磨を抜いた角田裕毅!
大盛り上がりのレースを制したのはマックス・フェルスタッペン(レッドブル)、2位はセルジオ・ペレス(レッドブル)で、なんとレッドブルF1がワン・ツー・フィニッシュを達成!来場していたヘルムート・マルコ氏もそれを笑顔で見守っていた。
次の注目は3位争いだ。最後まで3位を走行していた佐藤琢磨だったが、チェッカーフラッグ直前のストレートで、後輩・角田裕毅が先輩・琢磨をオーバーテイク!わずか0.008秒差という僅差で3位表彰台を奪取した。角田は父親が見守る中で見事な走りを披露した。
わずか10分の短いレースとはいえ、長いシーズンで激戦を終えたばかりのF1ドライバーたちが日本のファンの前でその実力を発揮した。