ニコ・ヒュルケンベルグが、2023年にハースのドライバーとしてF1に復帰する可能性があることを示唆した。
2010年にウィリアムズでF1デビューを飾ったドイツ出身ドライバーのヒュルケンベルグは、その後フォース・インディア(現アストンマーティン)やザウバーを渡り歩き、2017年にルノーに移籍。だが、2019年シーズン限りでそのシートを失ったヒュルケンベルグは、2020年から2022年にかけてはレーシングポイント(現アストンマーティン)やメルセデス、そしてアストンマーティンのリザーブドライバーを務めながら、新型コロナウイルスに感染したドライバーの代役として数レースに出走している。
■ハースではヒュルケンベルグ起用を内定とのうわさも
フルタイムドライバーとしては事実上3年のブランクがある35歳のヒュルケンベルグだが、2023年のシート確保が難しくなったミック・シューマッハの後任として、来年にはハースで4年ぶりにF1復帰を果たす可能性が出てきている。
2022年シーズン前半はミスによるクラッシュも多く、ハース首脳陣の怒りを買ってしまったシューマッハだが、シーズン後半には経験豊かなチームメートであるケビン・マグヌッセンを予選や決勝でしのぐことも増えている。
だが、ハースのオーナーであるジーン・ハースは今季のF1第19戦アメリカGPが開催される前に、シューマッハが2023年のシートを確保するにはポイント獲得が条件になるとコメントしていた。
だが、シューマッハはそのアメリカGPでも、さらに、先週末に行われたメキシコGPでもポイント獲得に失敗。うわさでは、ハースはシューマッハに替えて2023年にはヒュルケンベルグを起用する方向で固まったようだとも言われている。
■シーズンを通じたシューマッハの成長に目を向ける必要があると元F1ドライバー
シューマッハやヒュルケンベルグと同じドイツ出身の元F1ドライバーであるティモ・グロックは、シート喪失がうわさされるシューマッハに関して『Sky Deutschland(スカイ・ドイチュランド)』に次のように語った。
「シーズン全体に目を向けなくてはならないよ。成長も見る必要があるし、それは上向きつつある」
「現時点では、彼はチームメートよりもスピードがある。最近ではミスも少なくなった。直近の2レースだけで評価することはできないよ」
実際のところ、アメリカGPが開催されたオースティンでは、マグヌッセン自身が最近はシューマッハに勝つのがすごく難しくなっており、23歳のドイツ人ドライバーは2023年もハースのシートをキープするにふさわしいと語っていた。
■来季に向けた交渉には「楽観的」だとヒュルケンベルグ
一方、しばらく前から2023年にF1復帰する可能性が取り沙汰されてきたヒュルケンベルグだが、ここまでのところ、メディアの取材に答えるようなことはしてきていなかった。
だが、そのヒュルケンベルグがこのほど、オーストリアの『Servus TV(セアヴスTV)』のインタビューに応じ、久しぶりに沈黙を破っている。
「今のところ、具体的なことは何も言えないんだ。結局のところ、僕が決めることではないしね。交渉は進行中だし、その進展に関しては、僕は比較的楽観視しているよ」
そう語ったヒュルケンベルグは、次のように付け加えている。
「こういう決定には辛抱も必要なんだよ」。