アルピーヌのエステバン・オコンが、チームメートのフェルナンド・アロンソが最近、今年故障するのは自分が乗る“ナンバー14”のマシンの方だけだと語ったことに対して反論した。
■トラブルに苛立つアロンソ「自分のマシンだけが壊れる」
先週末に行われた2022年F1第20戦メキシコGP決勝でポイント圏内を走行していたにもかかわらず、エンジントラブルで今季6回目のリタイアを喫したアロンソは、マクラーレン・ホンダでの挑戦を開始した2015年シーズンのことを引き合いに出しながら次のように語った。
「ホンダの初年度は、シーズンが終わったときには72グリッド降格ペナルティーを受けていた。そのくらいだったはずだ。だけど、あのときはホンダのマシンは2台とも止まっていたよ」
「今年はカーナンバー14だけが止まるんだ」
■シーズン後テストにはアストンマーティンでの走行を望むアロンソ
苛立ちを隠せないアロンソだが、すでに最終戦アブダビGP(20日決勝)の翌週に行われるシーズン後テストには、来季に移籍することが決まっているアストンマーティンから参加し、少しでも早くそのマシンの感触をつかみたいと考えているようだ。
その可能性について質問されたアルピーヌのチーム代表を務めるオットマー・サフナウアーは、次のように答えている。
「法務チームが今そのことについて話し合っていると思う」
「ブラジル(第21戦/13日決勝でまた聞いてみてよ)
うわさによれば、アロンソのアルピーヌの信頼性問題に関するコメントがメディアを賑わせる状況となっていることもあり、ルノーのワークスF1チームがシーズン終了後にアロンソにアストンマーティンでのテスト参加を認める可能性もあると考えられているようだ。
■壊れるのはアロンソのマシンだけではないとオコン
一方、昨年からアロンソとコンビを組んできたフランス人ドライバーのオコンは、今回のアロンソの発言には納得できていないようだ。
「僕のギアボックスはイモラ(第4戦エミリア・ロマーニャGP)で壊れたよ。シルバーストン(第10戦イギリスGP)ではマシンが壊れたし、シンガポール(第17戦)ではリタイアした。僕のクルマも壊れるんだ」
「僕も彼のように6回エンジンを交換している。もちろん、彼のはメキシコで壊れたよ。だけど僕たちは同じ数のエンジンを使っているんだ」
ちなみに、今年完走できなかったレース数の比較で言えば、アロンソは6回、オコンは2回となっている。
■トラブルが片方のマシンに集中するのは“運の問題”だとサフナウアー
チームを率いるサフナウアーは、もしもアロンソとオコンのマシンの信頼性問題に差があるとすれば、それは単なる不運でしかないと主張している。
「アロンソとオコンのエンジンは、いつも同じ人間が準備しているわけではないんだ」
「しかし、常に片方に問題が発生する確率はゼロではないよ」
そう語ったサフナウアーは、HRD(ホンダ・レーシング・ディベロップメント)の副社長として佐藤琢磨やジェンソン・バトンを擁していたBARホンダのチーム運営に関与していたときのことに言及しながら、次のように付け加えた。
「私がホンダにいたときのことを覚えているが、佐藤は1年に13回故障したものの、(ジェンソン)バトンは1回も故障しなかったよ。今と同じようにね。それは運の問題なんだ」
■“運”で片付けられる問題ではないとアロンソ
しかし、アロンソはそれには納得できないようだ。
「ただ準備が整っていないだけだよ。エンジンがレースを終えることができないんだからね」
メキシコを離れる前にそう語ったアロンソは、次のように付け加えた。
「6回も7回もエンジンを換えて、それでもレースを完走できないのは、運が悪いじゃ済まされないよ」