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バーニー・エクレストンがレッドブルの予算上限問題を仲介? 非難するフェラーリはもう“秘密の合意”を忘れた?「我々は合法的であり続ける」 メルセデスF1代表は元部下のリークを否定

2022年10月31日(月)0:23 am

レッドブルF1のバジェットキャップ(予算上限)違反について、メルセデスの元幹部がリークしたとの指摘に対してメルセデスF1代表のトト・ヴォルフが反撃に出た。

FIAは今週ついに、レッドブルF1の「軽微な」200万ドル(約2億9,500万円)オーバーの範囲を明らかにした。「軽微」というのは「想定税額控除」を考慮すると、実際には50万ドル強(約7,370万円)にしかならないからだ。

■レッドブル「風評被害は深刻だ」

しかし、ライバルたちの中には、この新世界チャンピオンが、数百万ドルもの大金をつぎ込んだ“ズル”をしていると、表向きは非難している。これについてレッドブルのクリスチャン・ホーナー代表は「風評被害は深刻だ」と述べている。

「他のチームからの非難によって、我々は世間から叩かれてしまった」

レッドブルが最も憤慨しているのは、当時の過剰支出を示すリーク情報をもとに、シャイラ・アン・ラオにスポットライトを当てたこの報道についてだ。

現在FIAモータースポーツ担当事務局長であるラオは、以前はメルセデスのボス、トト・ヴォルフとメルセデスの側近であり、弁護士でもあった。

■メルセデスF1代表、レッドブルは「焦点をずらしただけ」

しかしヴォルフは、彼女がリーク元であることを否定している。

「このリークはFIAからのものではない」とメキシコの『Sky Deutschland(スカイ・ドイツ)』で主張している。

「10人の財務責任者が1年中一緒に座って、誰が何をしたかを考えているんだ。誰がその話をしたかって?私は彼らだと思うよ」

「しかし、違反があったのだから、その経緯は関係ない。違反は違反だ」

「これは一種の第二次戦争劇場だ。レッドブルが論点をずらそうとしたものだ」

■フェラーリF1代表「違法は事実だ。我々は合法的であり続ける」

フェラーリのマッティア・ビノット代表も、メキシコGP予選後にマックス・フェルスタッペンの昨年のマシンは「違法」だったと断言し、レッドブルにかけられた圧力から一歩も引かない姿勢を見せている。

「FIAは、違法だったのはレッドブル1チームだけだと確認したんだ。“事実”なんだ。200万ドル以上、つまり1周あたり0.2秒くらいだ」と彼は『Sky Italia(スカイ・イタリア)』に語った。

「チャンピオンシップの結果を変えてしまったかもしれない。我々はそれを超えたくないので、前例が作られないことを望む。我々は合法的であり続ける」

レッドブルを非難するフェラーリだが、2019年の違法エンジン疑惑で、2020年3月にフェラーリとFIAが“秘密の合意”をしたことはもう忘れてしまったのかもしれない。

■罰金10億円と風洞10%削減は不十分

ビノット代表は、レッドブルに科された700万ドル(約10億3,200万円)の罰金と、今後12カ月間の風洞時間の10%短縮は、十分厳しいペナルティではないと主張している。それどころか、むしろ有利に働くとさえ考えている。

「風洞のペナルティは、予算枠の縮小を伴わないのであれば、その分、他のところにお金を使うことができるということだ。この制裁は、レッドブルが持っていたアドバンテージを補うものではない」

風洞のペナルティは1周あたり0.5秒のロスになるというホーナーの主張について、ビノットは「そうは思わない」とだけ答えた。

■バーニー・エクレストンが仲介役?

一方、イタリア紙『Corriere della Sera(コリエーレ・デラ・セラ)』は、元F1最高責任者のバーニー・エクレストンが、ホーナーやFIA会長モハメド・ベン・スレイエムと強い絆を持ち、レッドブルとFIAのペナルティ交渉に関与してきたと伝えている。

92歳のエクレストンが「完璧な仲介者」だったと述べている。

■レッドブル「うちの風洞は古いから10%短縮は不利だ」

ヘルムート・マルコ博士は、風洞時間の10%短縮はレッドブルにとって「大きな競争上の不利」だと主張している。

「我々の風洞は最初に作られたもののひとつで、出来栄えや熱に対する感度の点で、最新鋭ではないので適切な温度を見つけるまでに時間がかかる」

「風洞に入れるものがうまく機能しなければならないということだ。ミスは許されないんだよ」と彼はメキシコで語った。

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