レッドブルのチーム代表を務めるクリスチャン・ホーナーが、ホンダと再び緊密な関係を持つための話し合いを行うことは、レッドブルにとって「論理的で興味深い」ステップだと認めた。
■ホンダとの再タッグを視野に入れるレッドブル
少し前までは、レッドブルは新たなF1エンジンレギュレーションが導入される2026年からはポルシェと手を組むことになると考えられていた。
だが、ポルシェがレッドブル・レーシングの株式50パーセントを取得することになると伝えられていた交渉は決裂に終わったことが明らかになっている。
そして、レッドブル首脳のヘルムート・マルコ(モータースポーツアドバイザー)は、2026年からF1活動を再開するとのうわさもあるホンダとの新たな話し合いのために日本を訪れるつもりだと語っていた。
■F1エンジン独自開発プロジェクトも積極的に推進
ホンダは、公式には2021年シーズン限りでF1から撤退しているものの、現在レッドブルが搭載している「レッドブル・パワートレインズ」というブランドのエンジンは依然としてホンダが製造を行っており、レッドブルとホンダは2025年までのエンジン供給契約を結んだことも明らかとなっている。
その一方で、レッドブルは自身のエンジン部門である「レッドブル・パワートレインズ」において独自にF1エンジンの開発・製造を行うプロジェクトも積極的に進めている。
「ホンダがF1からの撤退を発表したとき、我々は考え方を変え、自分たちでエンジンを造ろうと決めたんだ」
ドイツの『Speed Week(スピードウィーク)』にそう語ったホーナーは、次のように続けた。
「それは明らかにリスクを伴うものだった。だから、ポルシェのような素晴らしい企業との提携が検討されたんだ。それは完璧に理にかなっていただろう」
「しかし、同時に、我々は自分たちのエンジンプロジェクトのためにF1でもトップクラスの優秀なエンジニアたちを集めることができた。我々は55週間でファクトリーを立ち上げ、すでに最初のV6(エンジン)が試験台に載っているよ」
「我々はそのエンジンを完全に自分たちの手で開発したんだ。我々には独自にやっていくためのスキルはあると思っている」
■シャシーとエンジンを自力製造するのがレッドブルの次のステップ
ホーナーは、フェラーリのような完全な独立性が今のレッドブルのDNAにあるとし、ポルシェとのコラボレーションは「この原則を尊重する」必要があったのだと主張している。
「ポルシェは理にかなっていたかもしれない。だが、それは我々のチームの独自性と完全性を大きく変えてしまっただろう」そう続けたホーナーは、次のように付け加えた。
「将来的には、我々は、フェラーリ以外では、マシンとエンジンを同じ場所で製造する唯一のチームとなる。それは我々のF1史における次の章なんだ」
■まったく新たな状況に向けてホンダとの話し合いも
だが、ホーナーは、将来的に再びホンダとの関係を強化する可能性も否定していない。
「2026年には新たなルールが導入される。それはまったく新しい状況なんだ」
「ホンダは市販車の電動化に集中するという理由で撤退を正当化した。だが、新たなレギュレーションが導入され、内燃機関と電気モーターによる配分が50対50になることで、興味深い新しい状況となる」
そう語ったホーナーは、次のように付け加えた。
「ホンダと新たな状況について話し合うのは論理的であり、興味深いことだ。しかし、緊急なものではないよ」。