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ピエール・ガスリーの将来は?「条件さえ整えばアルピーヌF1への移籍を認める」とレッドブル首脳 後任候補筆頭はアメリカ人のコルトン・ハータ

2022年09月05日(月)22:55 pm

レッドブルとそのセカンドチームであるアルファタウリのドライバープログラム責任者として知られるヘルムート・マルコが、条件が全て整うようであれば、ピエール・ガスリーが2023年にアルピーヌへ移籍することを認める用意があると認めた。

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2023年にはフェルナンド・アロンソがアストンマーティンに移籍し、期待していた若手ドライバーのオスカー・ピアストリもマクラーレンで走ることが決まったアルピーヌは、その後任としてフランス人ドライバーであるガスリーの獲得を望んでいると伝えられている。

フランスを代表する自動車会社ルノーのワークスF1チームであるアルピーヌにとっては、エステバン・オコンとガスリーという2人のフランス人ドライバーでラインアップを組むことは非常に魅力的なことに違いない。

だが、問題となるのは、レッドブルのドライバープログラムの一員であるガスリーは、2023年までレッドブルとの契約が残っていることだ。

■条件さえ整えばガスリーのアルピーヌ移籍を認めるとレッドブル首脳

だが、マルコはフランスのテレビ局『Canal Plus(カナル・プリュ)』に次のように語っている。

「いろんなことが想像できるが、話し合いは続けられているよ」

「全ての条件が満たされれば、彼は去ることができる」

「条件について話すことはできないが、可能性はあると思うよ」

■ガスリーの後任候補筆頭であるハータ起用にはクリアすべき課題が

マルコが言及した“条件”の中には、もちろんアルピーヌがガスリーの契約を買い取るために提示する条件もあるだろうが、一番重要なのは誰を2023年にガスリーの後任としてアルファタウリで走らせるかということだろう。

そして、レッドブルではその最有力候補が、現在インディカーで戦っているアメリカ人ドライバーのコルトン・ハータであることを認めている。

現在22歳のハータは、2019年からアメリカの最高峰フォーミュラカー・シリーズであるインディカーにフル参戦しており、2年目の2020年にはランキング3位、2021年には5位という実績を残した将来有望な若手ドライバーだ。そして、今年7月にはポルトガルで行われたマクラーレンのテストに参加し、2021年型F1マシンでの走行も体験している。

しかし、レッドブルがハータをアルファタウリで走らせるためには、クリアしなくてはならない大きな条件がある。それは、ハータが現時点ではF1出走に必要なスーパーライセンスポイントを持っておらず、統括団体であるFIA(国際自動車連盟)がハータに特例を与えることに同意することが必要となるのだ。

これに関して、マルコは次のように語っている。

「私は、ハータがライセンスを取得する権利を持っていることを証明できると思う」

「契約はまだ終わっていないが、我々はレッドブルであり、肝を据えている」

■ハータにF1スーパーライセンスが発給される可能性は?

しかし、もしもFIAが例外措置を適用する場合にはほかのF1チームの合意も必要となると考えられるが、現時点ではライバルチームがこれに同意する可能性は小さいと考えられている。

メルセデスのチーム代表を務めるトト・ヴォルフは、この件について『Sky Deutschland(スカイ・ドイチュランド)』に次のように語った。

「ノーだね」

「我々にはルールがあり、そのルールは正当な理由があって存在するんだ。アメリカ人が不満を持つのは分かるが、彼らはインディカーシリーズをアップグレードする必要があるんじゃないかな」

「しかし、それでもルールの範囲内で行わなければならないよ」

ヴォルフが示唆したように、FIAのスーパーライセンスポイントルールはインディカーのようなアメリカのシリーズには少し厳しくなっている。例えば、F2選手権の場合には年間ランキング1位から3位までに入ればそれだけでF1昇格が可能となる40ポイントが与えられる。

だが、インディカーの場合は、40ポイントが与えられるのは1位だけで、2位は30ポイント、3位は20ポイントとなっている。このポイントが累計されるのは3年間となっており、ハータの場合は2020年に3位の20ポイント、2021年に5位の8ポイントを獲得しているものの、現時点では今年中に40ポイントに到達するのは難しい状況だ。

■現在のルールに従うべきだとF1最高責任者

積極的にアメリカ国内でのF1レース増加を進めてきているF1最高責任者のステファノ・ドメニカリでさえ、ハータに特例を与えることについては否定的だ。

「スポーツはルールを尊重しなければならない」

そう語ったドメニカリは次のように付け加えた。

「もちろん、アメリカ人ドライバーは我々にとって重要だ。しかし、こうした状況に関しては現行の手順に従うべきだ」

つまり、もしもハータが正規の方法でF1スーパーライセンスを取得できなければ、その結果としてアルピーヌはガスリーという選択肢をあきらめざるを得ないということになりそうだ。

■後任候補が見つからなければガスリーを手放すことはないとクリスチャン・ホーナー

「彼(ハータ)がF1でどんな活躍を見せるのかは非常に興味深いし、成功したアメリカ人ドライバーを有することは非常に興味深いことだ」

そう語ったレッドブルのクリスチャン・ホーナー(チーム代表)は、次のように付け加えている。

「しかし、興味深い代替案がないのであれば、我々はピエールを替えたいとは思わないだろう。そして、スーパーライセンスはFIAの問題だからね」。

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