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シャルル・ルクレール「F1ベルギーGP決勝序盤に起こった“捨てバイザー”事件はフェルスタッペンが悪いわけじゃない」

2022年09月02日(金)21:54 pm

フェラーリのシャルル・ルクレールが、F1ドライバーがレース中に行う「捨てバイザー」の処理について、今後もっと違うやり方を検討する必要があると主張した。

F1ドライバーが装着するヘルメットにはバイザーが付いているが、現在は薄いプラスチック製のバイザーが何枚も重ね貼りされており、ドライバーはゴミなどが付着して視界を遮るようになると、そのバイザーを1枚1枚剥がすことでその都度再び良好な視界を得られるようになっている。

その剥がすことができるバイザーを日本では「捨てバイザー」と呼ぶことが多いが、欧米では“引き剥がす”という意味の“ティアオフ(tear-off)”と呼ばれることが多くなっている。

■フェルスタッペンの捨てバイザーによって緊急ピットインを余儀なくされたルクレール

先週末にスパ・フランコルシャン・サーキットで行われたF1ベルギーGP決勝序盤に、マックス・フェルスタッペン(レッドブル)が剥がした捨てバイザーが運悪く後ろを走行していたルクレールのマシンのブレーキダクトに引っかかってしまっていた。

そのままの状態で走行を続ければ、ブレーキが異常加熱して事故の原因となることも想定されるため、ルクレールはレース開始わずか3周目に予定外のピットストップを余儀なくされてしまったのだ。

もちろん、フェルスタッペンがルクレールのブレーキを狙って捨てバイザーを投げ捨てるようなことは不可能であり、単にルクレールにとっては不運だったと言うしかない。

■こういうことが起こるのをいつも恐れているとフェルスタッペン

フェルスタッペンは、その事件のことについて次のように語った。

「常にそういうことが起こるんじゃないかと恐れてはいるんだ。特に、スパのようなサーキットで集団の中にいるときはすぐに剥がすことになるからね」

「こういうことが起こるのは最悪の悪夢だよ。だけど、残念ながら、そういうことも確かに起こるんだ」

■別の処理方法を考える必要があるとルクレール

予定外のピットストップを強いられたこともあって最終的にスパでのレースを6位で終えていたルクレールは、今週末に第15戦オランダGP(4日決勝)が開催されるザントフォールト・サーキットでこの件について質問されると、次のように答えた。

「もちろん、それはドライバーには責任のないことだよ」

「だけど、僕たちはクルマに捨てバイザーを保管するような方法を思いつくこともできると思うよ」

「誰かがオイルを漏らしていたんだと思うけど、誰もバイザー越しに見ることができず、それ(捨てバイザー)があちこちに飛んでいるのが見えたよ。だけど、ドライバーとしてはそれに対して何もできないんだ」

■過去にも議論されていた捨てバイザー問題

この捨てバイザー問題はF1でも何度か議論が行われたことはある。実際にルクレールが言うように、剥がした捨てバイザーを外に投げ捨てず、マシンのコックピット内に保管するといった案も検討されたものの、様々な理由によりそれが実現することはなかった。

2016年にはF1統括団体であるFIA(国際自動車連盟)がいったん捨てバイザーを禁止する方針を打ち出したこともあったが、安全上の問題からそれに反対する声も多く、結局そのときは捨てバイザーの使用は「最小限にとどめる」といった努力義務的な内容で合意したという経緯もある。

実際に捨てバイザーが原因でドライバーの生命や健康に重大な影響を及ぼしかねない事故でも発生すれば別かもしれないが、現状ではすぐにこの捨てバイザー問題に新たな解決策が導入される可能性はあまり高くはなさそうだ。

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