F1第11戦オーストリアGPが開幕し、1時間の初日フリー走行が始まった。7月は2連戦が2回あるが、このグランプリは先週のF1イギリスGPから続く最初の2連戦だ。
●【2022F1第11戦オーストリアGP】フリー走行1回目のタイム差、周回数
セッション開始後、山の中にあるコースには風速10mもの強い風が吹いていて、走行しているドライバーたちからドライビングに影響が出ていると訴えていたが、各マシンは予選前に1時間しかないフリー走行でセットアップを何度も変えながら、予選とレースセッティングを調整していった。
■赤旗中断、ノリスがストップ
開始20分頃、ランド・ノリス(マクラーレン)がターン6のコース脇にマシンを止めて赤旗中断となった。無線では「シートの下から煙が出ている」と訴え、チームは「降りてくれ」と伝えるとコース脇にマシンを止めた。
今週末の土曜日にはスプリント(走行距離100kmのショートレース形式の予選)があり、この後、金曜日の午後の予選以降はウイングの角度調整など細かいセッティング以外はできなくなる、いわゆるパルクフェルメ状態となる。
止まってしまったノリスとマクラーレンにはもちろん不運だが、フリー走行は赤旗中でも残りタイムが止まらないため、全員にとってもフラストレーションが溜まるロスタイムとなった。
約6分後にマシンはコース外に撤去され、セッション残り33分となったタイミングで再開となっている。
■2回目の赤旗中断、コースに問題発生
残り22分過ぎ、2回目の赤旗が出た。ターン6の出口に黒いゴムのようなものが落ちていて、バルテリ・ボッタス(アルファロメオ)が「デブリが落ちている」と指摘した。
どうやら縁石の外側を埋めていたゴムが、F1タイヤの強烈なグリップにより剥がれてしまったようだ。レスキューと書かれたコースマーシャルカーが現場に到着すると、コースを埋めていた残りのゴムを手作業ですべて引き剥がす映像が流れていたが、残り16分でセッションが再開した。
■フリー走行は接戦に
セッティングが大きく変更できる唯一のフリー走行だったが、2回の赤旗が出たことで走行プログラムに影響が出たチームも多いと予想される。
そんな中でトップタイムを記録したのは、チームの地元で戦うマックス・フェルスタッペン(レッドブル)だった。オレンジ色のオランダのファンも多く、今週末はベストな結果を残したい。
2番手はシャルル・ルクレール(フェラーリ)。先週のイギリスGP決勝レースではチーム戦略により優勝を失い激怒、その後チーム代表のマッティア・ビノットとモナコで会食しているが、再びチームを信頼して好結果を残せるのかに注目したい。
3番手にはジョージ・ラッセル(メルセデス)が入った。ここでは再びバウンシングが出るのではとレッドブル陣営は予想していたが、映像を見る限りスムーズに走行し、好タイムを残した。
4番手にはセルジオ・ペレス(レッドブル)、5番手はルイス・ハミルトン(メルセデス)、6番手にはケビン・マグヌッセン(ハース)が入ってきた。
前戦F1初優勝を飾ったカルロス・サインツ(フェラーリ)は7番手だった。
■アルピーヌ勢はレースセッティングに集中
アルピーヌ勢は、スプリントおよび決勝レースのセッティングに集中したかったのかミディアムタイヤでの走行に集中。フェルナンド・アロンソは8番手、エステバン・オコンは12番手だった。この後の予選でソフトタイヤを履いたときにどんなタイムを残せるのか注目したい。
前戦F1イギリスGPで初入賞をしたミック・シューマッハ(ハース)は9番手で好調を維持しているようだ。
トップ10の最後には角田裕毅(アルファタウリ)が入ってきた。再びメンタルトレーナーをつけたことで良い結果に繋げたい。
■ジョウ・グァンユ、アレクサンダー・アルボンも走行
F1イギリスGPで恐ろしい大クラッシュを経験したジョウ・グァンユ(アルファロメオ)は18番手、病院で精密検査を受けていたアレクサンダー・アルボン(ウィリアムズ)は15番手だった。