フェラーリのシャルル・ルクレールが、イタリアの名門F1チーム内に亀裂が生じているようだと報じられていることに対し、反論を展開した。
■シルバーストンではフェラーリのチーム戦略に激怒したルクレール
先週末にシルバーストンで開催されたF1第10戦イギリスGP決勝でチェッカーフラッグを受けた後、ルクレールは明らかにフェラーリが展開したレース戦略に激怒していた。
その際、チーム代表を務めるマッティア・ビノットが指を振りながら、ルクレールをさとすような仕草をしていたところが目撃されたが、伝えられるところによればルクレールはすぐに自宅があるモナコへと戻り、今週予定されていたスポンサーイベントに姿を見せなかったという。
さらに、カルロス・サインツがF1初優勝を飾ったイギリスGP決勝だが、一部のチームメンバーがルクレールの勝利をうばう形となった戦略をとったことに抗議するように、レース後に行われた表彰イベントへの参加や、チームの集合写真に収まることを拒否したとも伝えられている。
■モナコで話し合う機会を持ったルクレールとチーム代表
こうした中、今週水曜日(6日)には、ルクレールとビノットがモナコの『オテル・ド・パリ モンテカルロ』で夕食を共にしていたことが明らかとなっている。
そのときのことについて質問を受けたルクレールは、今週末に第11戦オーストリアGP(10日決勝)が開催されるレッドブルリンクで次のように答えた。
「僕は家にとどまり、オーストリアに備えるためにあらゆることから遠ざかりたかったんだ。そして、彼は僕が大丈夫であることを確認するために一緒にいたんだ」
■チームは分裂などしていないとルクレール
ルクレールはさらに、イギリスGPで優勝したサインツの表彰セレモニーや、優勝記念のチーム写真に一緒に収まることを拒否したチームメンバーがいるといううわさを受けて、フェラーリが分裂状態に陥っているのではないかとの報道すら行われていることに対しても反論している。
「僕たちが分裂しているというのは事実ではないよ」
イタリアの『La Repubblica(レプブリカ)』にそう語ったルクレールは次のように続けた。
「これはメディアが流したうわさであり、僕たちはそれから自分たち自身を守らなければならない。僕たちは団結したチームであり、これからもそれは変わらないよ」
「もちろん、僕は不満だったし、チームの一部も同様にがっかりしていた。最近の5戦は厳しいものだったからね」
「だけど、チーム内に分裂はないし、全員が写真に写らなかったのはそれが理由ではないよ」
「写真を撮るために残ったチームの半分の者たちは、帰国するための飛行機に乗り遅れたんだ。つまり、そうすることはかなり難しかったんだ」
■数字的に可能性がある限りタイトルを狙っていく
ともあれ、イギリスGP決勝を勝利ではなく4位で終えたことで、そのレースでランキングトップのマックス・フェルスタッペン(レッドブル)が7位で終わっていたものの、2人の差はわずか6ポイント縮まっただけだった。
つまり、現時点でもフェルスタッペンと、ランキング3番手でそれを追うルクレールの差は43ポイントもある。2022年F1シーズンはまだあと12レースが残されているとはいえ、ルクレールがかなり苦しい状況にあるのは事実だ。
しかし、ルクレールは可能性が残されている限り、チームを信じて、一緒にタイトルを狙っていくつもりだと次のように付け加えた。
「数字的に可能性がある限り、タイトル獲得ができると信じていくつもりさ。悪い感情なんてまったく抱いていないよ」