ハースのケビン・マグヌッセンが、F1ドライバーはグランプリ中にFIA(国際自動車連盟)のレースディレクターに「簡単に」影響を与えることができ、それによってレース展開が左右されることがあると嘆いた。
●【2022F1第9戦カナダGP】決勝レースのタイム差、周回数、ピット回数
■カナダGP決勝でレースディレクターからピットイン指示を受けたマグヌッセン
先週末にモントリオールで開催された2022年F1第9戦カナダGP決勝では、マグヌッセンを追っていたエステバン・オコン(アルピーヌ)が、マグヌッセンの乗るハースF1マシンのフロントウイングがダメージを受けており、その一部が飛んできて自分の頭に当たるかもしれないとチーム無線で訴えていた。
カナダGP決勝を5番グリッドからスタートしたマグヌッセンだったが、直後にルイス・ハミルトン(メルセデス)と接触したことでフロントウイングの右翼端板にダメージを負ってしまっていたのだ。オコンが無線で指摘したのはそのことだ。
その後、FIAのレースディレクターはそのまま走らせることは危険だと判断し、レースが7周目を迎えたところでマグヌッセンにピットインを指示。マグヌッセンはこれで最後尾に下がってしまった。
■オコンがレースディレクターに影響を及ぼしたとマグヌッセン
このことに関して、デンマーク出身ドライバーである29歳のマグヌッセンは次のように語った。
「軽く接触し、フロントウイングにかすり傷があった。だけどまったく安全だったんだ。何もちぎれ落ちたりはしていなかったからね」
マグヌッセンによれば、オコンもレース後に、そのとき自分の無線メッセージがF1レースディレクターに届くように期待していたことを認めたという。
「パルクフェルメでオコンに会ったけど、彼は自分が完全に無欲ではなかったと認めたよ」
■FIAの危険度判断に疑問を呈するマグヌッセン
カナダGP予選で5番グリッドを確保しながら、決勝はそうしたアクシデントもあって17位でのフィニッシュとなったマグヌッセンはそう語ると、次のように続けた。
「それについて僕が言えるのは、FIAにそれほど簡単に影響を及ぼして自分に有利になるようにできるのであれば、それは役に立つってことさ。今回、エステバンはそれをやってのけたんだ」
「だけど、昨年のジェッダ(第21戦サウジアラビアGP)を思い返してみてよ。ルイスはフロントウイングが半分になった状態でレースに勝ったんだ。僕は、それはいいことだと思う」
ドイツ最大のニュースポータルである『t-online.de』にそう語ったマグヌッセンは、次のように付け加えた。
「彼らは僕たちにただレースをさせるべきだよ。とりわけ、僕のように、本当に何でもなかったマシンはね」。