メルセデスのトト・ヴォルフ代表は、ルイス・ハミルトン(メルセデス)が先週のバルセロナでレースを止めようとはしていないと語った。
ようやく改善されたメルセデスのマシンで期待されたものの、7度のワールドチャンピオンであるハミルトンはスタート直後にケビン・マグヌッセン(ハース)と接触した後、エンジニアたちに「エンジンのマイレージをセーブするためにレースからリタイア」するよう無線で伝えていた。
■ロス・ブラウン、ハミルトンに引退する兆しはない
しかし、元メルセデス代表でF1マネージングディレクターのロス・ブラウンは、37歳のハミルトンには引退する兆しはないと見ているようだ。
「派手さと華やかさの中にも、非常に強い意志を持ったレーシングドライバーなんだ」と、ブラウンは『Evening Standard(イブニング・スタンダード)』紙に語った。
■レッドブルF1代表、ハミルトンは感情的になると速い
ハミルトンの性格とライフスタイルの「華やかさ」の側面を、レッドブルF1のクリスチャン・ホーナーは「歌姫」のような振る舞いだと表現している。
「いつもこうだ。時々、彼は感情的になることを必要としているが、感情的になったとき、彼は素晴らしいパフォーマンスをすることができるんだ」。
■ハミルトンは8度目の王者を狙っている
これにはブラウンも同意見だ。「彼はまだ最高に健康だし、能力もある。 彼が8度目のチャンピオンになりたいと思っているのは間違いないだろう」
■メルセデス代表、ハミルトンに説明は必要ない
現メルセデス代表のヴォルフは、ハミルトンのバルセロナでの無線メッセージを、もはや戦う意志がないことの表れだ、と解釈する人々に反撃している。
「38秒も遅れていたのに、レースでファステストラップを刻みながら上位に躍り出たドライバーについて説明するものではないよ」
「それこそが、彼の持つ良い姿勢と決意の表れなんだ」
■あの無線はがっかりしていただけ
ヴォルフは、あの無線は単純にがっかりしていたためだったと語った。
「レースを失ったときは、いつも“今、レースを続ける意味はあるのか?”と自問するものだ。レースを止めなくてよかったよ。なぜなら2台のクルマがセットアップを比較できる最も貴重な時間だったからね」
「最終的には多くのことを学んだから報われた」と続けたヴォルフは、ハミルトンの無線について次のように語った。
「あれは『こんなことが自分に起こるなんて信じられない』と言っているようなものだったんだ」
「彼がそのような意味(リタイアする)で言ったのではないと思う」
■ブラウン、メルセデスはもろい
ブラウンによると、メルセデスが苦労している2022年型マシンは、マイアミとバルセロナで明確に前進しているという。
「メルセデスが抱えている問題が、今のクルマのコンセプトで解決できるのか、それともコンセプトを見直す必要があるのか、私にはよくわからないんだ」
「彼らはきっと解決してくれるよ。だが、彼らが非常にもろいものを扱っているのは明らかだ」。