ポイントランキング9位で苦戦が続くアストンマーティンは、F1スペインGPに大型アップデートを持ち込んだ。これまでのうわさでは、ランキング首位のフェラーリに似せてくるのではないかと予想されてきたが、バルセロナのピットで目撃された新サイドポッドのデザインはまるで「グリーン・レッドブル」だった。
■次の課題はファインチューニング
プレシーズンテストの2月からは3カ月、そして3月に今シーズンが開幕してから2カ月、アストンマーティンF1は「グリーン・レッドブル」を作り上げた。
主にサイドポンツーン周りが大幅にアップデートされており、バージボード周辺、さらにフロアのエッジの形状もレッドブルに似ている。
しかし、F1はデザインが似ていればすぐにトップ争いができるほど甘いものでもない。ここからサスペンションやウイングなどをファインチューニングをして、持っている速さを引き出していかなければならない。
■ピンク・メルセデスは成功、グリーン・レッドブルは?
アストンマーティンは、チーム名が変更になる直前のレーシングポイント時代には、当時最強だったメルセデスにインスパイアされた「ピンク・メルセデス」を作り上げ、2020年シーズンはポイントランキング4位と好成績を残している。
この“成功体験”を生かし、セバスチャン・ベッテルとランス・ストロールのアストンマーティン勢が混戦模様の中団争いに加わり、さらには上位勢に近づくことができれば、レッドブルF1のエイドリアン・ニューウェイが生み出したデザインは新世代マシンのベストだと言えるかもしれない。
新ルールになってから様々なデザインが登場してきているが、現在のところ、フェラーリとレッドブルが他チームを圧倒する強さを見せており、多くのチームがフェラーリとレッドブルを研究し、分析している。
優れたものはすぐにコピーされるのがF1の世界だが、まずは下位争いで苦戦しているアストンマーティンがレッドブルを新世代マシンの最適解と判断してきた。もしアストンマーティンが期待どおりの速さを見せれば、他チームもレッドブル型に似せてくるかもしれない。その答え合わせは今週末にハッキリするだろう。
The B-version of the Aston Martin AMR22 has left the garage. Looks a bit like a repainted Red Bull. #AMuS #F1 #SpanishGP pic.twitter.com/h42SFJTkC4
— Tobi Grüner 🏁 (@tgruener) May 19, 2022