今週末にはアメリカ国内で2つめのF1レースとなるマイアミGP(8日決勝)が初開催されることになっている。そして、その決勝レース開始前に、F1チームのボスたちがサーキットを1周して観客に手を振りながらパレードするというイベントが当初企画されていたようだ。
だが、伝えられるところによれば、F1はこのイベントは行われないことになったという。
■原因はNetflix? F1の“アメリカ化”に批判
フロリダのビーチサイドの街として知られるマイアミでのレースは、マクラーレン・レーシングのCEOを務めるアメリカ出身のザック・ブラウンによれば、アメリカン・フットボールの“スーパーボウル”に匹敵するイベントになるだろうという。
だが、アメリカで非常に好評だとされているNetflixによるF1ドキュメンタリーシリーズである『Drive to Survive(ドライヴ・トゥ・サヴァイブ/邦題:栄光のグランプリ)』に対しては事実と異なる脚色が施されているとの批判がドライバーたちからあがっていることを始め、マイアミGPの舞台となるマイアミ・インターナショナル・オートドロームには、港をイメージさせるために豪華なボートをサーキット内にクレーンで固定されていることが「フェイク」だとの指摘もあがっており、これらに関してはF1のアメリカ化を進めようとするものだという反発もあるようだ。
■リカルド「やりすぎ」
こうした中で、マイアミではチーム代表たちがドライバーたちと同じようにサーキットをパレードすることが提案されていると知ったマクラーレンのダニエル・リカルドも違和感を覚えていたようだ。
「チームのボスたちに失礼なことはしたくないけれど、ちょっと奇妙なアイデアじゃないかな?」
ドイツの『Speed Week(スピード・ウィーク)』にそう語ったリカルドは次のように付け加えている。
「彼らから栄光の瞬間を奪いたいとは思わないけど、ちょっとやりすぎだと思ったよ」
■チーム代表が反対。スポットライトが当たるのはドライバーたちであるべき
実際のところ、伝えられるところによれば、このアイデアが白紙に戻されたのは、メルセデスのトト・ヴォルフや、レッドブルのクリスチャン・ホーナーといった、トップF1チームの代表たちがノーと言ったためだったようだ。
「チーム代表があんなふうに観客に手を振るようなイベントを行う必要があるとは思わないよ」
そう語ったヴォルフは次のように付け加えた。
「誤解しないで欲しいのだが、私もファンを愛しているよ。だが、スポットライトが当たるのはドライバーたちであって欲しいんだ。彼らこそアスリートであり、剣闘士なんだ。我々はそうではない」