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【メルセデスF1】特徴的な“ノー・サイドポッド”コンセプトを諦める?最初のスペックと比較検討中

2022年05月03日(火)19:46 pm

メルセデスは、今週末に開催される2022年F1第5戦マイアミGP(8日決勝)と、その2週間後に行われる第6戦スペインGP(22日決勝)の2レースでマシンを連続的にアップグレードすることで、2022年型メルセデスF1マシンが抱えている“ポーポイズ現象”の問題を解決できると考えているようだ。

■ポーポイズ現象に苦しむ今年のメルセデス

2014年から昨年まで8年連続でF1コンストラクターズタイトルを獲得した最強F1チームのメルセデスだが、今年はスタートから大きく出遅れてしまっている。

7度F1チャンピオンに輝いた実績を持つルイス・ハミルトンは、ポーポイズ現象が今年のメルセデスF1マシンの根本的な問題であることを認めている。

「僕は冬に僕たちがミスを犯したのか?聞かれたのを覚えているよ」

2月にバルセロナで行われたプレシーズンテストに言及しながらそう語ったハミルトンは次のように付け加えた。

「そのときは、僕たちはミスをしないと言ったんだけど、結局のところ、してしまっていたのかもしれないね」

だが、ハミルトンは、もしもメルセデスが高速走行時にマシンが大きく上下に振動するポーポイズ現象を克服することができれば、「マシンのポテンシャルを引き出すことができる」と付け加えている。

今季からバルテリ・ボッタス(現アルファロメオ)に代わってハミルトンの新たなチームメートを務めているジョージ・ラッセルも、ポーポイズ現象によりマシンが大きく振動することから、「腰、背中、胸」に痛みを抱えるまでに身体的負荷が大きくなっていることを認めている。

24歳のイギリス人ドライバーは次のように付け加えた。

「だけど、これ以上車高を高くすると、さらにタイムを失うことになるんだ」

■ハミルトンがチーム復活を助けてくれるとメルセデスのボス

しかし、そのラッセルが今季これまではハミルトンよりも競争力を発揮しているのは事実だ。

現時点でのドライバーズランキングではハミルトンが28ポイントで7番手なのに対し、ラッセルは49ポイントを稼いでランキング4番手に位置している。F1関係者の中には、今後メルセデス内でのハミルトンとラッセルの位置関係に変化が生じてくるのではないかと考えている者もいる。

だが、メルセデスのチームCEO兼代表であるトト・ヴォルフは、現在のドライバーたちの状況について次のように語っている。

「ドライバーたちの協力関係は、今シーズンの数少ないハイライトの一つだよ」

「緊張関係はなく、ただ生産的な仕事ができている」

「現在の状況は、間違いなくドライバーたちのせいではない。ルイスは世界最高のドライバーだが、今はそれを示すマシンを持っていないだけだ。そして、彼が8位、あるいは13位でフィニッシュしようが、それは問題ではないんだ」

「でも、ここで我々が話しているのは7回F1チャンピオンとなった者のことだ」

「偉大なドライバーの中で、困難な局面に立たされなかった人はいないよ。彼は我々がここから抜け出すのを助けてくれるだろう」

■2レース連続で改良マシンを持ち込むメルセデス

ヴォルフによれば、今週末のマイアミで最初の改良をマシンに施し、2週間後にバルセロナで行われるスペインGPにはより大きなアップデートを持ち込むことになるという。

「マイアミで何かを試すことにしている。それから再びバルセロナでもね」

そう語ったヴォルフは次のように付け加えた。

「冬に発表したモデルは、バーレーンに持ち込んだ2番目のスペックよりもはるかにバウンシング(ポーポイズ現象)が少なかったんだ。この2つのマシンのデータを比較することで、さらに一歩前進できるはずだよ」

このヴォルフのコメントは興味深いものだと言えるだろう。というのも、メルセデスは2月にバルセロナで行われた最初のプレシーズンテストでは比較的オーソドックスなサイドポッドを持つマシンを走らせていたが、3月にバーレーンで行われた2回目のテストにはサイドポッドを大きく絞り込んだ非常に特徴的な外観を持つマシンを持ち込み、F1関係者やファンに驚きを与えていた。

現在も、3月にデビューさせた“ノー・サイドポッド”とも呼ばれるマシンを使っているメルセデスだが、場合によっては今後メルセデスが再びオーソドックスな手法のサイドポッドに戻す可能性もあるのかもしれない。

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