フォルクスワーゲン傘下にあるアウディとポルシェは、F1が2025年もしくは2026年に新たなエンジン規格を導入するのと併せて4輪駆動を採用することを望んでいるようだ。
最近、オーストリアのレッドブルリンクにおいて行われた新F1エンジン規格に関するミーティングにはアウディとポルシェのCEOも参加していた。
イタリアの『La Gazzetta dello Sport(ガゼッタ・デロ・スポルト)』によれば、そのミーティングに参加した関係者たちは、基本的には全員が今後もF1がハイブリッド方式エンジンを使用し続けることで合意したものの、現行のものよりもっと構造を簡素化し、製造コストを抑える必要があるという点においても意見の一致を見たという。
そのミーティングで具体的にどういう話し合いが行われたのかについては明らかとなっていないが、フォルクスワーゲンは、基本的な要素が変わる場合にのみ自社ブランドの一つでF1に参戦することを検討するという姿勢を示したようだ。
これについて、『La Gazzetta dello Sport(ガゼッタ・デロ・スポルト)』は次のように報じている。
「WEC(世界耐久選手権)やフォーミュラEに参戦してきた実績を持つドイツの2つのメーカーは、(F1に)4輪駆動の導入を提案した」
その記事によれば、ポルシェとアウディが提案したのは、F1マシンの前輪を新たな電動モーターで駆動させるというアイデアのようだ。
伝えられるところによれば、メルセデス、ルノー、レッドブルはこの提案に乗り気ではないようだが、フェラーリは引き続きハイブリッド技術を使用しつつ、コストを抑えることを可能とするためには「あらゆるソリューション」を検討する余地があるという姿勢を示したという。
『La Gazzetta dello Sport(ガゼッタ・デロ・スポルト)』はさらに、これまでにも噂されていたように、次期F1エンジンには非常に複雑で重量も増加してしまうMGU-H(熱エネルギー回生システム)の搭載は見送られることになるだろうとし、次のように付け加えている。
「MGU-Kだけが残ることになるが、より強力なコンポーネントを使用することによって回収される運動エネルギーは向上することになるだろう」
また、内燃機関に関しては、次世代F1エンジンも現行と同じ1.6リッターV6エンジンが用いられることになるが、再生可能燃料の使用により、より環境に優しいものに変わるだろうという。
メルセデスF1チーム代表であり、メルセデスのモータースポーツ責任者でもあるトト・ヴォルフは次のように語っている。
「ヨーロッパでは、2030年までに誰もが電気自動車を運転しているのを想像することができる」
「だが、世界のそれ以外の地域においては、メルセデス車を含む何百万台もの自動車が依然としてガソリンで走行しているだろう」
「つまり、我々にできることは、バイオ燃料であれ合成燃料であれ、持続可能な燃料を開発するというイノベーションでそれに貢献することなんだ」