マックス・フェルスタッペン(レッドブル・ホンダ)が、今季のF1第5戦が開催されるモナコにおいて、タイトル争いのライバルであるルイス・ハミルトン(メルセデス)のコメントに対して反論を行った。
ハミルトンは前戦スペインGPが終わったあとで、フェルスタッペンが駆る2021年型レッドブル・ホンダF1マシンのリアウイングが「曲がる」と指摘し、それによってフェルスタッペンが大きなアドバンテージを得ていると主張。
その後F1統括団体であるFIA(国際自動車連盟)は今後フレキシブルウイングの取り締まりを強化することを明らかにしている。しかし、実際にFIAが新たな検査基準を導入するまでにはあと数週間かかる見込みとなっており、レッドブルでは少なくともバクーで行われる第6戦アゼルバイジャンGP(6月6日決勝)までは現在のリアウイングをそのまま使い続けることができると考えられている。
こうした中、ハミルトンは19日(水)にモナコで次のように語った。
「バクーでは、あのウイングのおかげで彼ら(レッドブル)はコンマ6秒くらい稼げるだろう」
「こういうことに関してきちんと監視するようにFIAにもっとプレッシャーをかける必要があると僕は思っている」
実際のところ、こうしたハミルトンのコメントはレッドブルやフェルスタッペンに対する心理戦の一部だと考えられている。
ともあれ、これからもハミルトンとフェルスタッペンの戦いがさらにヒートアップしていくことが予想されているが、メディアには非常に攻撃的なドライビングスタイルを持つフェルスタッペンが今後ハミルトンとクラッシュを演じることは避けられないだろうと報じているものもある。
例えば、ドイツの『Auto Bild(アウト・ビルト)』には最近次のような見出しを付けた記事が見られた。
「ハミルトンとフェルスタッペンのタイトルをかけたメガバトルにおいて、最初のクラッシュが起こるのはいつだろう?」
ハミルトンはこうした報道を意識してのことだろうが、フェルスタッペンに対してさらにプレッシャーをかけるかのように次のように語っている。
「マックスは対決を通じて何かを証明しようとしているような印象がある」
「僕は(F1レースは)短距離レースよりもマラソンに近いと思っている。だからこそ、これからもコース上での接触は避けたいと思っているよ」
今回のモナコでのハミルトンの発言について質問されたフェルスタッペンは、「僕には証明するようなものは何もないよ」と答え、次のように付け加えた。
「接触を避けるということは、どちらにも言えることだと思うよ。僕たちはハードなレースをしているけれど、お互いに接触を避けてきた。だから、これからもそれを続けられることを期待しているよ」
しかし、ハミルトンとフェルスタッペンがいつかクラッシュを演じるだろうと考えているのはメディアだけではない。
マクラーレン・レーシングのCEOを務めるザック・ブラウンも両者がクラッシュするのは「時間の問題」だと語ったことが報じられている。
「正直なところ、この手の話にこれ以上何を言えばいいのか分からないよ」
「僕らは決してクラッシュしようとはしていないよ。そうじゃない?」
そう反応したフェルスタッペンは次のように付け加えた。
「そういう見出しを付けるのは簡単だからね。『彼らはこれまで素晴らしいレースをしてきた』ではなく『時間の問題だ』と書いた方がより多くの読者を得られるんだと思うよ」