近年はF1トップ3チームのひとつとして常にトップ争いにからんでいたフェラーリだが、2020年は大きく勢力ダウンしてしまい、コンストラクターズランキング6位という厳しい結果に終わってしまった。
かつてフェラーリのドライバーを務めていたこともある元F1ドライバーのゲルハルト・ベルガーは、フェラーリで勝つのはドライバーにとって難しいことなのだと『Servus TV(セアヴスTV)』に次のように語った。
「私が思い出せる限りにおいて、フェラーリを成功の道筋に乗せることができたドライバーはたった2人だけだった。それはニキ・ラウダとミハエル・シューマッハだよ」
「キミ・ライコネン(現アルファロメオ)は少し幸運だったが、ほかは誰も成功できなかった」
ベルガーが言及したラウダは1975年と1977年の2回、シューマッハは2000年から2004年まで連続5回、ライコネンは2007年にフェラーリでF1チャンピオンとなっている。
もちろん、1960年代以前にもフェラーリでF1チャンピオンとなった者もいるが、複数回タイトルを獲得できたのはラウダとシューマッハ、そして近代F1草創期の1952年と1953年にチャンピオンとなったアルベルト・アスカリしかいない。
レッドブルで4回のF1タイトルを獲得した実績を持つセバスチャン・ベッテルが2015年にフェラーリに移籍したときには再びシューマッハ時代のようにフェラーリが勝利を重ねるようになるかと期待されたが、結局ベッテルは一度もタイトルに手が届かないまま今年限りでフェラーリを離れることになった。
ベルガーはトップや技術部門がイタリアの出身者たちを中心とした組織になっているのがフェラーリの最大の問題だろうと次のように指摘している。
「あのチームをイタリア人の考え方でコントロールしようとするのは難しいことなんだ」