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「ピンク色のメルセデス」を警戒するマクラーレン

2020年02月20日(木)18:42 pm

19日(水)からスペインのバルセロナ-カタルーニャ・サーキットでF1プレシーズンテストが始まったが、セッション初日最大のサプライズはレーシングポイントのセルジオ・ペレスがメルセデスに次ぐタイムを叩き出して見せたことだろう。

その2020年型レーシングポイントF1マシン「RP20」の特徴は、2019年型メルセデスF1マシンに酷似しているということだ。

ドイツの『Auto Motor und Sport(アウト・モートア・ウント・シュポルト)』は次のように報じている。

「大げさではなく、それはピンク色をした2019年のメルセデスだと言える」

レーシングポイントのテクニカルディレクターを務めるアンドリュー・グリーンも次のように語り、自分たちの2020年型マシンがメルセデス2019年型車のコピーであることを暗に認めている。

「我々は昨年の5月からメルセデスの風洞で作業をしてきている。だからレッドブルのマシンを造るよりも彼ら(メルセデス)のコンセプトに倣(なら)う方が意味のあることだ」

最近、レーシングポイントとメルセデスの関係がこれまで以上に密接になってきていることは明らかだ。少し前にはレーシングポイントのオーナーであるローレンス・ストロールとメルセデスF1チームCEOのトト・ヴォルフが2021年以降共同でチーム運営をすることになるのではないかとのうわささえささやかれていた。

グリーンもメルセデスとの技術提携がこれまでより広い範囲に及んでいることを認め、次のように語っている。

「フロントサスペンションとリアサスペンション、そしてギアボックスは2019年型メルセデスのものをそのまま使用している」

2018年シーズン途中にフォース・インディアを買収したストロールだが、2019年にレーシングポイントと名前を変えたチームが不振に陥ったことからチームに方針変更を行うよう求めたものと考えられている。

その結果、2020年のレーシングポイントのマシンがメルセデスの2019年型マシンのコピーとも言えるものになったわけだが、グリーンはアストンマーティンと名前が変わる2021年のマシンに関しては「やっとこれから始めるところだ」としている。

ともあれ、プレシーズンテスト初日に3番手タイムを刻んで見せたレーシングポイントが2020年には要警戒チームとしてマークされることになるのは間違いないだろう。

特に、昨年のコンストラクターズランキングでトップ3チームに次ぐ4位につけたマクラーレンや、それに次ぐ5位に位置したルノーなどにとっては「ピンクのメルセデス」の存在は脅威となりそうだ。

プレシーズンテスト初日に6番手タイムを刻んだマクラーレンのカルロス・サインツは次のように語った。

「小規模チームが大規模チームから便宜を得られるようなら、僕たちにとってはやりづらくなるよ」

だが、2019年の5月からマクラーレンのチーム代表を務めているアンドレアス・ザイドルは、そのことに文句を言う筋合いはないと次のようにコメントしている。

「文句をつける理由など何もないよ。誰もがほかのマシンをコピーする権利を有しているし、特定のパーツについては同じものを使うことがレギュレーションで許されているんだからね」

一方、同様にジュニアチームのアルファタウリといくつかのパーツを共有する戦略をとっているレッドブルのヘルムート・マルコ(モータースポーツアドバイザー)は、この件についてドイツの『Auto Bild(アウト・ビルト)』に次のように語っている。

「きっとマクラーレンとルノーには彼らの言い分があるだろうね。だが、我々はそれには関わらないでおくよ」

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