ロマン・グロージャン(ハース)が、F1公式タイヤサプライヤーであるピレリが用意した2020年仕様F1タイヤには満足できないと語った。
ピレリはすでに第19戦アメリカGPの金曜フリー走行に2020年仕様のプロトタイプタイヤを持ち込んでいたが、ドライバーたちの反応は否定的なものが多かった。
そして、今季のF1最終戦アブダビGPが行われたヤス・マリーナ・サーキットで3日(火)と4日(水)の2日間にわたって全F1チームの参加のもとで2020年仕様タイヤの本格的なテストが行われている。
そのテスト初日にトータル146周を行い、参加12台中5番手のタイムを刻んだグロージャンは、そのタイヤの印象を次のように語った。
「まだ判断するには早すぎるよ」
「だけど、このタイヤに満足できたか、そしてそれらがほかのクルマの後ろを走っているときにオーバーヒートが起こるという問題の解決に役立つものかと聞かれたら、僕は本音を言うしかない」
「このタイヤはその問題をまったく解決できないよ」
2018年シーズンにはF1参戦3年目にしてコンストラクターズランキング5位という結果を残したハースだが、2019年シーズンはピレリタイヤへの対応に苦しみ、ランキングも2016年に参戦開始して以来最悪の9位に終わっている。
グロージャンも、自分が火曜日にテストしたタイヤはこれまでのものと比べて性能低下が少なく、より低い空気圧で使用できることも歓迎できることだとしたものの、次のように付け加えた。
「それらはプラスだよ。だけど、僕たちが夢見たようなタイヤではないね」
2019年仕様タイヤが抱えていた問題を解決できていないということは、ピレリがそのタイヤの開発にあてた時間や費用は無駄だったということか、と質問されたグロージャンは次のように答えている。
「それは彼ら(ピレリ)に聞くべき質問だよ」
同じく初日のテストに参加したメルセデスのバルテリ・ボッタスも2020年仕様タイヤには感心できなかったようだ。
「新しいタイヤが古いものよりよくなったと感じることはできなかったと言うしかないよ」
3日に行われたテストでトータル138周を行い、トップタイムをマークしたボッタスはそう語ると次のように付け加えた。
「僕から見れば、コース上での挙動は同じだけど、もっと遅くなったみたいだよ」
2020年仕様タイヤの評判が非常に芳しくないことから、ピレリでは新仕様タイヤの開発をあきらめ、来年も2019年仕様のままでいくことも検討しているようだとも伝えられている。