カナダ出身の元F1ドライバーであるジャック・ビルヌーブは、フェラーリが2019年のF1タイトル争いにつまずいてしまったのはシャルル・ルクレールをうまくコントロールできなかったためだと考えている。
「多くのことが2人のドライバーの相性にかかっているんだ」
オランダの『Formule 1(フォーミュレ1)』にそう語った1997年のF1チャンピオンであるビルヌーブは次のように続けた。
「フェラーリはルクレールに対して『君はまだF1へ来て2年目だし、我々とやるのは1年目なんだ。リラックスしてベッテルから学ぶようにしなさい』と指導したことは一度もなかったんだ」
「そうしていれば、私はあのチームはもっと前進できていただろうと思うよ」
「逆に、ルクレールは最初のレースから『僕がナンバー1であり、ベッテルはもう盛りが過ぎていることを示して見せる。僕こそが未来なんだ』というようなイメージを匂わせていたよ」
「ファンもルクレールがフェラーリを救うためにやってきたのだと考えたし、メディアもそれに追随した。それがベッテルを苦しめたのだと思う。レッドブルにいた頃のリカルド(ルノー)がそうだったようにね」
「それがフェラーリにとってはまずかったんだ。ルクレールはまだそういう役割を務めるに相応しくなかったからね。彼は何回もポールをとり、優勝すらしたものの、タイトルを狙うにはまだ早かったんだ。こういう状況そのものがフェラーリにダメージを与えてしまったのさ」
日頃から歯に衣着せぬ物言いをすることで知られるビルヌーブはそう語ると、かつてミハエル・シューマッハのチームメートを務めたエディ・アーバインとルーベンス・バリチェロを引き合いにだしながら次のように付け加えた。
「マッティア・ビノット(チーム代表)がそれに対してできることがあったかどうかは僕には分からない。だけど、アーバインやバリチェロがいた頃はもっとやりやすかっただろうね」