F1最高責任者のチェイス・キャリーが、2021年から導入される新たなF1ルールの正式決定を10月まで遅らせたのは間違った判断ではないと主張した。
本来、2021年から施行される新F1ルールに関しては6月末が確定期限として設定されていた。だが、10月末までその期限を延長することになったのは、今後のF1の方向性に関するコンセンサスが得られていないためであり、それはとりもなおさずF1オーナーがうまくチームたちをとりまとめることができていないという事実を浮き彫りにしたものだと考えている者もいる。
だが、F1オーナーであるリバティ・メディアの一員でもあるキャリーは、確定期限が延期されたのは2021年のルールが複雑であるためだとオーストリアのテレビ局『Servus TV(セアヴスTV)』に次のように語った。
「我々は世界的なスポーツであり、検討すべきことがたくさんあるんだ」
「パリはF1がどうあるべきか、どうすればファンのために改善できるかということを話し合うためのものだった」
先週パリにあるFIA(国際自動車連盟)本部で行われた緊急会議について言及したキャリーは次のように続けた。
「チームたち、そして我々のパートナーであるFIAとの話し合った結果、我々は2021年以降のレギュレーションに関してはもっと時間をかけることに意味があるという結論に達した」
「だから、10月まで時間をとることにしたんだ。慌てて決めるよりも、正しく行動した方がいいんだ」
これまで、2021年以降のルールに関してはF1チームからもさまざまな意見が出されている。例えば、レッドブルのモータースポーツアドバイザーを務めるヘルムート・マルコは、チームとドライバーの無線通話を全面的に禁止した方がよいとの提案を行ったという。
「何から何まで、すべての提案をまとめたリストがあるよ」
「それがチームからのものであれファンからのものであれ、我々はそうした提案をありがたいと思っている。最終的にどれを採用するかはまだはっきりとはしていないがね」
そう語ったキャリーは次のように付け加えた。
「何ページにも及ぶさまざまなことのリストがある。これからそのひとつひとつに取り組んでいかないとならない」