今年から新たに「ファステストラップポイント」がF1ポイントシステムに加えられることになったが、その効果に関しては懐疑的な見方もあるようだ。
今回導入が決定したファステストポイントは、決勝で10位以内となったドライバーが最速ラップタイムを刻んだ場合にのみ付与されることになっている。つまり、11位以下のドライバーがファステストラップを刻んでもポイントは与えられないのだ。
■得をするのは第三のチーム?
ドイツの『Auto Motor und Sport(アウト・モートア・ウント・シュポルト)』は、あるストラテジストがこれに関して次のように語ったと報じている。
「これは3番目に速いクルマ(を持つチーム)が一番得だよ」
「(トップチームと)中団グループとの差は通常かなり大きいから、彼らは自分たちの結果を損なうことなくもう1回余分にタイヤ交換をすることができるからね」
■レッドブルは新システムを歓迎
実際のところ、2018年シーズンにコンストラクターズランキング3位となったレッドブルのマックス・フェルスタッペンは、ファステストラップポイント獲得を目指していくつもりだと『Servus TV(セアヴスTV)』に次のように語っている。
「それによって多くのポイントを獲得できることになる。5回か6回ファステストラップを刻めば、それで5ポイントか6ポイントを稼げるんだからね」
また、レッドブルのモータースポーツアドバイザーを務めるヘルムート・マルコもこの新ルールを歓迎しているようだ。
「これによって異なる戦略を取ることができるようになる」とマルコは語っている。
■一番有利になるのはフェラーリ?
だが、アルファロメオのチームマネジャーを務めるベアト・ツェンダーは、今回導入が決まったファステストラップポイントは俗に「Bチーム」とも呼ばれるアルファロメオやハースがいることでフェラーリに有利に働く可能性があると指摘している。
「想像してごらんよ。メルセデスのドライバーがファステストラップを刻んでいたとする。フェラーリはリスクを冒してまで余計なピットストップをするわけにはいかない。だが、メルセデスからその1ポイントを奪い取るためにハースあるいはザウバー(アルファロメオ)に対してドライバーに新しいタイヤに履き替えさせるよう頼むこともできるだろう」
そう語ったツェンダーは次のように付け加えた。
「メルセデスも同じことをレーシングポイントでやる可能性はあるし、レッドブルもトロロッソでやるかもしれないね」