今年、8年間のブランクの後にウィリアムズからF1復帰を飾ることになったロバート・クビサは、2020年もF1に残留するのはもっと難しい挑戦になるだろうと考えている。
2006年にBMWザウバーでF1デビューを飾ったポーランド出身ドライバーのクビサは2008年のF1カナダGPで優勝を飾るなど素晴らしいパフォーマンスを見せ、将来を嘱望されていた。
だが、ロータス在籍時の2011年シーズン開幕前に参戦したラリーで大クラッシュを起こして大けがを負い、その後F1の表舞台から姿を消してしまった。
その後F1復帰を目指して必死のリハビリに取り組んだクビサは、右腕にもう完治することのない障がいを抱えながらも2018年にウィリアムズとリザーブドライバー契約を締結。そしてついに今年9年ぶりにF1グリッドにつくことになった。
34歳となったクビサは、母国ポーランドのテレビ局『Telewizja Polska(テレビジャ・ポルスカ)』に次のように語った。
「F1に戻るのは簡単なことではないだろう。僕のキャリアにおいて最も大きく、最も困難な挑戦が目の前にあるよ」
「だけど、それこそ僕が目指していたことなんだ」
クビサの挑戦が困難なものとなると考えられる理由はほかにもある。所属しているウィリアムズは昨年コンストラクターズランキング最下位に落ち込んでしまったが、チームの財政状態などを考えれば、2019年に飛躍的にマシンが改善するとは考えにくい状況にある。
「昨シーズンはウィリアムズにとって楽なものではなかった」
そう認めたクビサは次のように続けた。
「だけど、レギュレーションも変わるし、それによって僕たちに競争力が戻ってくるかもしれないよ」
「僕たちが突然最高のチームになるようなことはないだろう。でも、昨年のものよりいいクルマにするために懸命に取り組んでいくよ」
クビサはさらに、2019年シーズンに向かうにあたり、予選や決勝での“具体的な”目標順位を設定するつもりはないと次のように続けた。
「僕の目標は、F1に復帰するよりももっと難しいものになるかもしれないよ。それはF1にとどまることさ」
「戦いはものすごい。ここには世界最高レベルの20人のドライバーたちがいるし、簡単な仕事にはならないだろう」
ルーキーのジョージ・ラッセルとともに2019年シーズンを戦うことになるクビサはそう語ると、次のように付け加えた。
「クルマがものすごく重要になるだろうね。もし僕たちがクルマをうまく改善できれば、目標達成も楽になるだろうけれどね」