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エクレストンが考えるフェラーリがタイトルを取れない原因とは?

2018年10月03日(水)17:39 pm

今季のF1タイトル獲得が失敗に終わる可能性が高まったフェラーリだが、近々チーム代表が変わることになりそうだとのうわさもささやかれ始めている。

■フェラーリはオウンゴールを連発したと伊メディア

先週末にソチで行われたF1ロシアGPの前まではセバスチャン・ベッテルにまだわずかながら自力でのタイトル獲得の望みが残されていた。

しかし、ロシアでもランキングトップのルイス・ハミルトン(メルセデス)が優勝し、ベッテルが3位に終わったことから両者の差は50ポイントに拡大。メルセデスF1マシンの信頼性の高さやハミルトンの安定感を考えれば、この差はまさにフェラーリにとっては致命的だと言わざるを得ないだろう。

フェラーリの母国イタリアの『La Repubblica(レプブリカ)』は次のように嘆いている。

「フェラーリはなんとこの3か月でF1タイトルを失った。次から次へとオウンゴールを決めてね」

■メルセデスのチームオーダーは当然だとベッテル

イタリアのメディアの中には、ロシアGP決勝においてメルセデスが発令したチームオーダーを批判しているものもある。メルセデスはポールポジションからスタートし、トップを快走していたバルテリ・ボッタスにハミルトンを前に出すように指示。これによってハミルトンとベッテルのポイント差をさらに拡大することを狙ったのだ。

だが、その当事者であるベッテルはメルセデスがああした作戦をとったのは当然だと次のように語っている。

「彼らがチームとしてやったことは全く道理にかなったことだよ」

「メディアが論争やこうした問題を好むことは知っているし、あれはみんなが見たいと思っていることではない。だけど、彼らがやったことは間違いなく意味のあることだったんだ」

■マシン性能もメルセデスが再逆転

一方、少し前までは今季のフェラーリF1マシンはメルセデスをしのぐ力を持っていると考えられていた。だが、その後の開発により、メルセデスがまたフェラーリを逆転したのは間違いないようだ。

ロシアGPで予選、決勝ともに4番手で終えたフェラーリのキミ・ライコネンは次のように語った。

「次のレースでは違う形になってくれることを期待しているよ。だけど、彼ら(メルセデス)は何かを見つけたんだと僕は思っている」

■フェラーリの問題は「イタリア主義」にあり

一方、前F1最高責任者のバーニー・エクレストンは、フェラーリが抱える問題の本質はそのあまりにも国粋主義的なチーム運営方法にあるのではないかと考えている。

フランスの『Auto Hebdo(オト・エブド)』から、今季のタイトル獲得の可能性がほぼ消えてしまったフェラーリについてどう思うかと質問された87歳のエクレストンは次のように答えた。

「今はあまりにもイタリアのチームになり過ぎているよ」

「先日誰かに話したんだが、まるで以前のフェラーリを見ているようだ」

それは現FIA会長のジャン・トッドがチーム代表を務め、ミハエル・シューマッハが活躍していたころのことかと尋ねられたエクレストンは、「いや、その前のことだ」と答え、次のように続けた。

「ジャン・トッドはチームをあまりイタリア的ではないものに変えたし、ミハエルがチームの本当のリーダーだったんだ」

「私は、あのときのような組織が今は失われていると思っている」

そう語ったエクレストンは、フェラーリはライバルのメルセデスから多くを学ぶことができるはずだと次のように付け加えている。

「フェラーリはメルセデスとはまったく違うやり方をとっている。彼ら(メルセデス)には純粋にレースをするだけのチームがあるし、それは会社とは何の関係もないんだ」

■チーム代表交代のうわさも

ともあれ、2007年にライコネンがフェラーリ最後のF1チャンピオンとなって以来、今年で11年連続でドライバーズタイトルをとり逃す可能性が高くなっているイタリアの名門F1チームだが、現在チーム代表を務めているマウリツィオ・アリバベーネがそのポジションから外れることになりそうだとうわさされている。

イタリアのメディアによれば、アリバベーネがF1チームを離れ、サッカーチームのユベントスの責任者になるかもしれないという。

ユベントスはフェラーリとも関係が深いイタリアの自動車会社フィアットのオーナーとしても知られるアニェッリ家が所有しているチームだ。

『La Repubblica(レプブリカ)』は、アリバベーネがそのユベントスのCEOに迎えられる可能性が高いと報じ、その後任としてフェラーリのチーム代表になるのは現在チーフテクニカルオフィサーを務めるマッティア・ビノットだろうと予想している。

スイス生まれのビノットはフェラーリで主にエンジン開発に携わってきた人物で、前テクニカルディレクターのジェームス・アリソン(現メルセデス)の離脱に伴い、2016年7月から現職に就いている。

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