フェラーリの2018年型F1マシンに対する疑惑が完全に消え去ったわけではなさそうだ。
フェラーリの今季型車SF71Hには違法にオイルを燃焼させているのではないかとか、バッテリーから違法なエネルギーを供給しているのではないかとの疑念の声がささやかれていた。
だが、F1統括団体であるFIA(国際自動車連盟)が先週末に行われたF1モナコGPにおいて監視を行った結果、フェラーリF1マシンには違法性は見つからなかったとの判断を下したことが明らかとなっている。
■課題はフェラーリのバッテリーシステム理解
しかし、F1競技委員長を務めるFIAのチャーリー・ホワイティングは、次戦のカナダGP(6月10日決勝)においてもフェラーリの監視を継続する必要があるだろうと次のように語った。
「確実にそうすると言っているわけじゃないよ。そうしたところで同じ結果になるだろうと考えているからね」
「だが、フェラーリはカナダでソフトウエアに変更を加える予定だ。私は専門家ではないが、バッテリーの2つの部分の違いを理解しようと試みているところだ」
「バッテリーはひとつだ。しかし、システムはそれを2つとして認識しているんだ。私は何も秘密を暴露しているわけではないよ」
ホワイティングは、必ずしもフェラーリを正式な調査対象としているわけではないとことわりつつ、ただフェラーリがライバルたちとは「まったく異なるバッテリーシステムを使用している」という事実があるだけだと説明している。
■カナダでは最新システムでチェック
「カナダに向かう前に、我々はもっと先進的なシステムを準備する。それによって今よりも早く結果を手にすることができるようになるだろう」
そう語ったホワイティングは次のように続けた。
「我々はこれまで2レースでこの問題に取り組んできている」
「私は、フェラーリは我々が必要とするものすべてを提供したと言っておく必要がある」
■今回のフェラーリ疑惑の出どころは?
フェラーリのバッテリーシステムに関してこうした疑惑がささやかれるようになったのは、昨年までフェラーリのパワーユニット設計を担当していたロレンツォ・サッシが秘密を漏らしたためだろうとうわさされている。サッシは今季からメルセデスに所属している。
だが、メルセデスF1チームを率いるエグゼクティブディレクターのトト・ヴォルフは、こうしたうわさを認めようとはせず、次のように語るのみだった。
「チーム代表としての私の職務のひとつは自分たちの従業員を守ることだ」