FIA(国際自動車連盟)のジャン・トッド会長が、F1とWEC(世界耐久選手権)のテクノロジーを一定程度統合することができれば「理想的」だと語った。
先週末にベルギーのスパ・フランコルシャンでWECの2018-2019年シーズン開幕戦が行われたが、そこでは久しぶりにフェルナンド・アロンソが表彰台の中央に立つ姿が見られた。
一般にスポーツカーレースと分類されるWECはF1よりも市販車への技術応用範囲が広いこともあり、2012年に現在のシリーズがスタートされて以来トップカテゴリーのLMP1はハイブリッド方式のプロトタイプマシンで争われている。
一方、F1も2013年まではKERS(運動エネルギー回生システム)を搭載していたものの、2014年から本格的ハイブリッド時代を迎えている。
■F1とWECの技術統合が理想だとジャン・トッド
両カテゴリーを統括するFIAの会長職を務めるトッドは、このカテゴリー間で技術の一本化ができることが理想的だと次のように語った。
「ある程度の統一化を達成できれば理想的だろう。だが、現実的に見ればそれは簡単なことではない」
「考えは浮かぶものの、その詳細部分に入り始めるとかなり難しいんだ」
■統合は自動車メーカーにメリットをもたらす
トッドは、F1とWECのテクノロジーを統一化することのメリットは、領域をまたぐことにより自動車メーカーの関与が一層強化されることだと次のように続けた。
「F1では現在選手権に参戦する自動車メーカーの数について議論している。現時点では4社だが、我々としては彼らがとどまることを確実にしたいんだ」
「そして、彼らがたった1チームか2チームとしか組んでいないとすればそれは困難だよ。だが、仮に彼らが自分たちの製品をほかのレースシリーズに供給することが可能だとすれば、そのプロジェクトはよりやりやすくなる」
■現実的には多くの障害が
そう持論を展開したトッドだが、それを実現するのは非常に困難だと次のように付け加えた。
「だが、すぐに多くの問題が出てくるよ。原則として、我々は喜んでこの話題について検討したいと思っている。だが、現実的にはあらゆることがそれほど単純ではないよ」