メルセデスを傘下に置くダイムラー社のディーター・ツェッチェ会長が、2018年のF1開幕戦でフェラーリが勝ったのは「F1選手権にとってはよいことだ」と語った。
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■今季も開幕戦勝利をフェラーリに譲ったメルセデス
2014年にPU(パワーユニット)と呼ばれる現行F1エンジンが導入されて以来、メルセデスが4年にわたって圧倒的な強さでF1を支配してきている。そして、今年もメルセデスの強さは揺るがないだろうと考えている者が非常に多いようだ。
事実、今季の開幕戦オーストラリアGPでも予選でルイス・ハミルトン(メルセデスAMG)が別次元の速さを見せてポールポジションを獲得している。
ところが、決勝ではポールポジションからスタートしたハミルトンがトップで快走を見せたものの、セーフティカー導入時にピットインしたフェラーリのセバスチャン・ベッテルに順位を奪われてしまい、結局2年連続でベッテルが開幕戦で勝利を飾っている。
■ダイムラー会長は余裕のコメント?
だが、イタリアの『ANSA通信』は開幕戦でフェラーリが勝利したのは「F1選手権にとってはいいことだった」とツェッチェが語ったと報じている。
ツェッチェが余裕とも見えるコメントを行った背景には、最終的にはメルセデスが勝利するという確信があるのかもしれない。実際のところ、伝えられるところによればメルセデス製PUはすでに1,000馬力の壁を越えたのではないかとも言われている。
■1,000馬力にはまだ到達していない
こうしたうわさを受け、エグゼクティブディレクターとしてメルセデスのスポーツ部門を率いるトト・ヴォルフは『Kleine Zeitung(クライネ・ツァイトゥング)』に次のように主張した。
「ルノーやフェラーリ、あるいは我々も、その数値(1,000馬力)からそれほど遠いところにはいない。だが、まだ実際に到達はしていないよ」
■PUルールの大幅変更はNGだとメルセデス
一方、F1エンジンメーカーたちは今後数週間のうちにF1オーナーのリバティ・メディアから2021年以降のエンジンルールについてより詳細な案が提示されることになっている。
昨年10月に提示された第一案に対してはフェラーリやメルセデスが明確に反対の意思表示を行っており、フェラーリに至ってはその計画が修正されなければ2020年限りでF1から撤退するだろうと脅しもかけている。
ヴォルフはリバティ・メディアの案に反対している理由を次のように語った。
「F1はハイテクなんだ。そして我々は信ぴょう性を失わないようにするためにそのメッセージを理解してもらう必要がある」
「エンジンは基本的に今日のものと同等のものであるべきだ。多少複雑さを緩和したとしてもね」とヴォルフは付け加えた。