ISMレースウェイ(アリゾナ州)で行われたオープンテスト初日の木曜日、4度のインディカーチャンピオン、スコット・ディクソン(チップ・ガナッシ・レーシング・ホンダ)が頭部保護を目的とした『ウィンドウスクリーン』のプロトタイプのテストを実施した。
これは戦闘機と同様の『オプティコー(Opticor)』と呼ばれる独自のPPG航空宇宙材料で作られたウィンドウスクリーンだ。
F1は2018年から『HALO(ヘイロー)』を導入する予定だが、安全性は素晴らしいものの、その見栄えについては賛否両論だ。そんな中、インディカー・シリーズはF1が不採用とした『ウィンドウスクリーン』をテストしている。
■全体を通してよく見えた
ディクソンは、「太陽光と影の影響が強い午後、夕暮れ、照明下の夜」という3つの条件下でドライバー視点で視覚的に問題がないか、ウィンドウスクリーンのプロトタイプのテストを行い、次のようなコメントを残した。
「僕たちは光の変化を経験した」
「最も難しいのはおそらく最初の走行で、ターン1と2は非常に強い日差しから暗闇を通過するという条件だった」
「全体を通して最も簡単だったのは夜だった。視覚的な変化がなかったんだ。僕らが基本的に見ていたのは、まぶしさの問題があるのか、照明による問題があるのかだった。だけど、全ての状況でよく見えたのはよかったし、テストを実現させたインディカー・シリーズを称賛したい」
■期待以上の結果だった
インディカーのコンペティション&オペレーション責任者ジェイ・フライは、次のようなコメントをした。
「ここにやってきて、夕暮れや暗闇などの光量の中で走行する計画だった。どれかがうまくいかなかった場合、おそらく続けることはできなかっただろう。それらは期待以上の結果だった。繰り返すが、これはプロセスの一部なんだ」
「今日は光学系に関するものだった。シミュレーターや風洞では実施したが、実際のドライバーを実車に乗せると未知の要素もある」
「スコットが今日やってくれたこと、ガナッシの人たちが素晴らしい仕事をしてくれたことは我々が思っていたことをしてくれた。今すぐ次のステップに進まなければならないよ」
■修正の必要あり
ディクソンは、ウィンドウスクリーンを通して前方を見ていると、肉体的なものより精神的な面でドライバーの視野を調整する必要があると認めている。
「説明するのは難しいんだけど、倍率では変わらないんだけど何かが変わるんだ。だけど倍率のようなものかな。脳と目が慣れる必要があって、走れば走るほど僕は適応していったんだ」
また、ウィンドウスクリーンの最初の改善点として、視覚ではなく熱の問題を次のように挙げた。
「クルマの中を空気が流れないから、冷やす必要があるね」
■バイザーカメラのドライバー視点で見るウィンドウスクリーン
■スコット・ディクソンのコメント