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尾を引くフェルスタッペンのFIA批判問題 追加ペナルティーの可能性も?

2017年10月24日(火)16:35 pm

FIA(国際自動車連盟)のF1競技委員を侮辱するような発言をしたマックス・フェルスタッペン(レッドブル)に今後なんらかのペナルティーが科される可能性があると報じられている。

●【車載動画】ライコネンに仕掛けたフェルスタッペンの華麗なオーバーテイクシーン

■アメリカでのペナルティーに不満のフェルスタッペン

先週末に行われたF1アメリカGP決勝の最終ラップで3番手を走行していたキミ・ライコネン(フェラーリ)をオーバーテイクすることに成功したフェルスタッペンだが、その際に4輪すべてがコース外に出ていたとしてレース後に5秒加算ペナルティーが科されてしまった。これによりフェルスタッペンは3位表彰台を逃し、4位に下がってしまった。

フェルスタッペンの父親である元F1ドライバーのヨス・フェルスタッペンは、自身のツイッターを通じてFIAとは国際自動車連盟を意味する“Federation Internationale de l'Automobile”の略ではなく、“Ferrari International Assistance”(フェラーリ国際支援)を意味するものに違いないとの皮肉を展開。

20歳のフェルスタッペン本人もドイツの『Sport Bild(シュポルト・ビルト)』に「(3位を)奪われたって感じだよ」と怒りのコメントを発している。

そのフェルスタッペンは特定のFIA競技委員に対してその怒りの矛先を向け、次のように続けた。

「彼はいつも僕に不利な判定をするばか者だよ」

フェルスタッペンが批判したのはアメリカGPで競技委員を務めていたオーストラリア出身のギャリー・コネリーのことだと考えられている。

フェルスタッペンはオースティンを去る前に次のように発言し、来年のF1アメリカGPにはファンがサーキットに観戦に来なければいいとまで語っていた。

「僕は、ファンもこの裁定を好ましく思わず、もう来年は見に来ないことを期待しているよ」

■フェルスタッペンの立場が悪化?

そして、イギリスやドイツを中心とするいくつかのメディアが、FIAがこうしたフェルスタッペンの発言がF1の品位を損なうものだったのではないか審議に入る可能性があると報じている。

だが、フェルスタッペンのボスであるレッドブルのチーム代表クリスチャン・ホーナーは、そうした見方に対して『Auto Motor und Sport(アウト・モートア・ウント・シュポルト)』を通じて次のように反論した。

「ルイス・ハミルトン(メルセデスAMG)がアメリカの大統領を批判したことが許されるのなら、不満を抱えたドライバーが自分の意見を述べたことも許されてしかるべきだよ」

■今回のペナルティーの問題点は?

ともあれ、今回フェルスタッペンが行ったライコネンのオーバーテイクについてはさまざまな意見があるようだ。現在のルールにのっとるならばあれは明らかに違反行為だったと考える者もあれば、あれは白熱したバトルでの出来事であり、それを厳密に取り締まるのはF1の面白さを奪うことにつながると見ている者もいる。

だが、F1関係者の中には、本質的な問題は、現在は4輪をコース外にはみ出させたドライバーすべてがペナルティーを受けるのではなく、特定のケースに限ってペナルティーが科されているという事実にあるのだと主張している者もいる。

事実、アメリカGP決勝でもフェルスタッペン以外にも4輪ともにコースリミットとされている白線の外に出て走行したドライバーが何人かいたが、実際にペナルティーを受けたのはフェルスタッペンだけだった。

■フェルスタッペンだけが利益を得ていたとFIA

だが、FIAのF1競技委員長を務めるチャーリー・ホワイティングは、アメリカGPでフェルスタッペンだけにペナルティーが下されたのには相応の理由があったのだと次のように語った。

「ほかのすべてのケースでは、コースをはずれたドライバーはそこでもっと長い距離を走行していた。一方、マックスのほうは4輪すべてでコーナーを横切っていたんだ」

ホワイティングのこのコメントを補足するならば、ほかにも4輪すべてをコースリミット外にはみ出させたドライバーもいたが、それらのドライバーはその状態でコース外を長く走ることとなり、その行為によって自分が有利になるどころか逆に不利な状態になっていたためにペナルティーの対象とはしなかったということだ。

しかし、フェルスタッペンの場合は4輪すべてをコース外に出してコーナーをショートカットすることでライコネンを追い抜いていたことで、アンフェアな形で順位を上げたと認められたということだろう。

ドライバーが自分に科されたペナルティーに対する文句を言うことは必ずしも珍しいことではない。だが、今回フェルスタッペンが特定の競技委員を「ばか者」呼ばわりしたことや、ファンがサーキットに来ないことを期待するといった発言をしたことをFIAが重く受け止める可能性はありそうだ。

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