今週末に行われる今季のF1第15戦マレーシアGP(10月1日決勝)でピエール・ガスリーにステアリングを譲ることになったダニール・クビアト(トロロッソ)だが、鈴鹿で行われる第16戦日本GP(10月8日決勝)でもベンチを温めることになりそうだ。
トロロッソは26日(火)に今季日本のスーパーフォーミュラに参戦しているレッドブル育成ドライバーのガスリーをクビアトに代えてマレーシアGPで走らせることを発表。
■ガスリー登用の目的は?
トロロッソのチーム代表フランツ・トストによれば、今回の交代は「2018年のドライバーを選択する上で、より情報に基づいた決断をすることができる」機会を設けるためだという。
さらにトストは、来季ルノーへレンタル移籍されることが決まっているカルロス・サインツではなく、クビアトのシートをガスリーに与えることにしたのは、今季クビアトはいくつかのミスを犯していたためだとも語っている。
しかし、トロロッソの声明には、今回ガスリーにシートを譲るものの、クビアトが今後もレッドブルファミリーの一員であることは変わらないとされている。
とは言え、昨年レッドブルからトロロッソへ降格され、今季も現時点でチームメートのサインツの48ポイントに対し、わずか4ポイントしか獲得することができていないクビアトのF1キャリアはこれで終わりを告げることになると考えている者も少なくないようだ。
■クビアトの欠場は2レースだけだとスポンサー
だが、クビアトのスポンサーであるアクロニクス社の設立者であり最高経営責任者のポジションにあるセルゲイ・ベロウソフは次のように主張した。
「彼(クビアト)はガスリーのテストのために2レース出走しないだけだ」
「サインツも出ていくことになっている。だから来季はまだどうなるか分からないよ」
実際のところ、ガスリーはスーパーフォーミュラにおいて最終戦1レースを残して0.5ポイント差でランキング2番手に位置している。そのスーパーフォーミュラ最終戦はF1アメリカGP(10月22日決勝)と日程が重なるため、アメリカでは再びクビアトがコックピットに戻ることになるだろうと考えられている。
ガスリーにとっては、日本GPにも出走することで同じ鈴鹿サーキットで行われるスーパーフォーミュラ最終戦でのタイトル獲得に弾みがつくことになるかもしれない。
■メキシコGP以降はまだ不透明
ロシア自動車協会の会長を務めるイゴール・エルミリンも『Tass(タス通信)』に次のように語っている。
「来年ホンダエンジンに移行することを考えれば、彼らにはドライバー実験を行う余裕がある」
「だから、2レースに出走しないことはダニールにとって、あるいはチームにとってもあまり影響はないはずだ」
そう述べたエルミリンは、次のように付け加えた。
「私は、彼ら(トロロッソ)がすでにその次のことまで決めているとは思わないよ」
現時点では第18戦メキシコGP(10月29日決勝)、第19戦ブラジルGP(11月12日決勝)、最終第20戦アブダビGP(11月26日決勝)にクビアトとガスリーのどちらが出走するのかは不透明な状態となっている。