ロマン・グロージャン(ハース)が、2018年のフェラーリシート獲得を視野に入れていることを認めた。
■フェラーリ移籍を見据えてハースを選んだグロージャン
昨年からずっとブレーキの不具合に悩まされているグロージャンだが、先週末にF1アゼルバイジャンGPが開催されたバクー市街地サーキットでもその問題に苦しめられ続けていた。
予選を17番手、決勝を13位で終えたグロージャンは、怒りのあまりレース後のコメントも出さずにバクーを後にしていた。
F1キャリアを通じてここまでに10回表彰台に上っているグロージャンだが、2016年にルノーのワークスチームとなることが決定していたロータスのシートを捨てて、新規参戦を開始するハースへの移籍を選んだ。
これは、フェラーリとのパイプが太く、実質的なBチームだと言われるハースで好成績をあげることでフェラーリへの移籍の足掛かりにしたいと考えていたためだ。
■まだ分からないがチャンスはあるはず
そして、現在フェラーリでドライバーを務めるセバスチャン・ベッテルとキミ・ライコネンはいずれも今年で現在の契約が満了することになり、まだフェラーリの2018年のドライバーは確定していない状況だ。
今後のドライバー市場の展開によっては、グロージャンが念願のフェラーリ入りを果たす可能性がないとも言えないだろう。
そのことについて質問されたグロージャンは、次のように答えた。
「その答えはまだ分からないよ」
「人生には驚きがつきものだからね。もしバルテリ(ボッタス/メルセデスAMG)に(2016年の)12月に来年何をしていると思うと聞いたら、彼はウィリアムズで走っていると答えただろうと思う。だけど、今彼はF1チャンピオンチームのクルマに乗っているんだ」
「だから、どういう電話がかかってくるか次第だし、僕にできることはサーキットで最高の仕事をすることさ」
■力があっても勝てないクルマではどうしようもない
だが、今回のレース後コメント拒否はともかく、グロージャンはチーム無線でよく怒鳴り声を上げることで知られている。グロージャンがかなり短気な性格であることは、F1関係者ばかりでなく、その無線通信を耳にしたF1ファンですらよく知っていることだ。
「イライラするときもあるよ」
そう認めたグロージャンは、次のように続けた。
「だって、僕は勝ちたいと思っているし、それが僕にとってF1では一番重要なことだからね」
「もちろん、ほかのカテゴリーでタイトルを勝ち取ってF1に上がってくるわけだけど、ここでは勝つチャンスさえ得られないんだ。まるでライバルたちの10秒後にレースをスタートするようなものさ」
■チャンスさえあれば自分はいい位置にいる
そのグロージャンは、2016年にF1参戦を開始したアメリカのハースF1プロジェクトをうまく軌道に乗せる手伝いができていることはすごくうれしく思っているものの、2018年に向けたドライバー市場には常に注意を払っていると語り、次のように続けた。
「まだ序盤だと思うよ。まだ7月にもなっていないしね」
「来年のグリッドがどうなるかなんて誰にも分からないよ。バルテリはメルセデスAMGからの答えを待っている。そしてキミ(ライコネン)もいる。彼はどうするんだろうね?」
「2010年のころから、誰もが彼はF1を去るだろうと言っていたけれど、彼はまだここにいる。彼はもう37歳だけどいい仕事をしているよ。だから、分からないな」
そう語ったグロージャンは、次のように付け加えた。
「もしチャンスがあり、シートがあるとすれば、僕は自分がいい位置にいると信じているよ」